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真っ暗の中、遠くから聞き覚えのある懐かしい声が聞こえる。
「___________!」
「_____________だ___」
「________ん!せ______」
ずっと聞きたかった声だった。その声の正体が見たくて重たい瞼を開け見てみればずっと会いたかった小さい身長に素敵(笑)な帽子。医者とは思えない風貌の男。綺麗な着物に身を包んでいる女性に可愛らしい小さな女の子。そして何故いるのか分からない包帯グルグル巻の男
『…………ぁ』
声を出したいが喉が乾いて声が出ない。
「起きるのおせェよ」
「全く心配させよってから」
『…ぁ』
中原さん、姐さん、と声を掛けたい島崎だが喉が渇いて声が出せない。それを見て気がついた首領がコップ一杯の水を渡す。島崎は全部飲み干し、バッと顔を上げた。
『中原さん、姐さん……?本物?』
「本物に決まってんだろ?何言ってんだよ」
「長い間寝ておって頭が働いてないのかえ?」
2人を触ってみれば手袋越しで感じる温もりに、本物だ、と感じる島崎。
『首領と、エリスちゃんも、本物……』
「あたりまえじゃない!」
「長い間寝ていたからねぇ。記憶が混乱しているのかもしれないね」
島崎の寝ていたベッドの上に乗りギュッと抱きしめるエリスと優しく島崎を撫でる首領。触られている感覚が残り嬉しくなる。
『…………太宰さんも、本物?』
「あたりまえだろう?」
何故ここへいるのか分からない太宰は島崎の手袋をスっと外し絡めるように手を繋いで本物だ、と言うように島崎を見つめる。
『うぁ、ゔえぇ〜〜〜ん!!!!!』
大口を開けダバダバと目から涙を零す島崎を見て一同ギョッとなる。マフィアに来てから島崎が泣くことはなかったからだ。
『だざ、さも、なかは…さんも、いなくって、ぼすにも、報告書出さなきゃ、だった、し、あねさん、とお菓子食べるやくそく、もあったのに、ゔえぇぇん!!!!』
「何言ってんのか全く分かんねェよ」
「ダメだなぁ中也は。Aが何言ってるのか分からないなんてまだまだだね!」
「はァ!?ウッセェくそ青鯖!!!てかなんでお前が居ンだよ!帰れ!!!」
島崎が目覚めても通常運転で変わらない2人をみて笑いが出てしまう。泣き疲れた島崎はまた、糸が切れたようにスポンとベッドに落ち眠りについた。
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アニメ好き - とっても面白かったです!!続きが読みたいです!! (9月16日 20時) (レス) @page26 id: 33294eb0c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリ美 - いや最高すぎます続きが読みたいです (8月30日 14時) (レス) @page26 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)
ひい(プロフ) - ルイにゃさん» お給料のためだったら頑張れるのが人間の性ですよね(?) (2022年5月31日 0時) (レス) id: a8f9c86065 (このIDを非表示/違反報告)
ルイにゃ(プロフ) - wwwwもう最高wwwお給料ww (2022年5月30日 22時) (レス) @page7 id: c326ad8a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひい | 作成日時:2022年5月30日 20時