#ラブレター ページ17
.
「あ、そういや俺ラブレター貰ったんだよね、」
いつも通り屋上でみんなとご飯を食べていると、ポロッと明智くんが言った一言。一瞬時が止まったかと思った。
「ら、ラブレター!?」
「そう、ほら見て」
ポケットから出てきたピンクの封筒。見た目で分かる、正真正銘のラブレターだ。
私はそっと中から手紙を取り出し広げる。みんなもそれを覗き込んだ。
「"明智くん、ずっと好きでした。どうか幸せになってください"って...青春かよ!!」
「ちょっ、原田先生耳元で叫ばないでくださいよぉ」
「きっと健気な子なんだろうね...思いが伝わるよ」
「いや、何でAが泣きそうなの?」
どれだけ勇気を振り絞ってこの手紙を書いたんだろ。私には出来ない。
なんて思っていると東条くんが呆れたように言う。何か前にも言われた気がする。
「でもこれだけ貰ってもなーって感じ。誰が書いたか分かんないし」
「確かにそうだね。てか明智って告白されるの何回目?」
「あ、それ気になる!」
「何回目とか数えてねぇよ」
そう爽やかに笑う明智くん。モテる男が言うことだ...私も言ってみたい。
「若林くんは何回告白されたことあるの?」
「え、僕!?僕は1回もないけど...」
「嘘だ!勿体ない...みんな若林くんの魅力に気付いてないなんて...」
「あ、あはは...モテるっていえば東条ももててるよね」
「あー、まぁ何回かされたことあるけど」
東条くんは見た目からモテるって分かるもん...、なんて言えば彼はどういうことだよ、と笑みを零す。
「私も学生時代モテてたわよ」
「え、のぶおが?」
「何よその言い方。学校一美人な子に告白されたことだってあったんだから」
「それは普通にすごい...」
「じゃあ、田中先生は?」
「え、俺?俺はまぁ、何回かあるかな」
そう恥ずかしそうに言う先生。可愛いなコノヤロウ。前に聞いた事があったからその事実にそんなに驚くこともなかった。
「Aはどうなんだよ、告られたことあんの?」
「...東条くんそんな事聞かないで」
「...え、もしかして、」
「そうだよ1回もないよ!」
勢いでそう言ってしまった。それを聞いてみんなは驚いたように私を見る。
「...みんな気付いてないんだろうな」
「え?」
「うん、これこそ勿体ない」
「え、何が?」
何故か哀れみの目をトリオから向けられる。私はただただ首を傾げた。
.
827人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青龍 葵(プロフ) - まるる。さん» 態々、お知らせして頂き有難う御座います。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 2dfc35dd30 (このIDを非表示/違反報告)
まるる。(プロフ) - 青龍 葵さん» 移行先は明日投稿してこちらでお知らせするので、もう少し待っててください(>_<) (2019年7月6日 19時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 後、少しで終わっちゃうと思うと寂しいですが、続編などあればと思いながら移行先は何処にあるんでしょうか? (2019年7月6日 16時) (レス) id: 2dfc35dd30 (このIDを非表示/違反報告)
まるる。(プロフ) - ひるくさん» ありがとうございます!!結構力入れて書いたのでそう言っていただけて嬉しいです...。これからもよろしくお願いします! (2019年6月30日 16時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
ひるく(プロフ) - 最新話……最新話最高です……ありがとうございます……沢山読み返して胸キュンに浸ってます!これからも応援し続けます頑張ってください! (2019年6月30日 13時) (レス) id: bbffd7f7da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まるる。 | 作成日時:2019年6月16日 10時