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授業も全部終わり、教科書を鞄に詰める。今日も三橋くんと一緒に帰るんだよね。...少し楽しみ、なんて。
「A、帰るぞ」
「う、うん」
三橋くんに名前を呼ばれ、慌てて鞄を持って彼に駆け寄る。それを見て三橋くんは歩き始める。
...私に歩幅を合わせてくれてるのに気付いて嬉しくなった。
「あ、お前この後暇?」
「え?うん、まぁ特にないかな」
「なら俺も暇だし、サ店行こうぜ」
まさかの誘いでびっくりした。断る理由もなくて、こくりと頷く。
「じゃあ、ほら」
「...え?」
差し出された手を見て首を傾げる。なに、これ。
「...手、繋げって言ってんだよ。」
「え、え!?何で!?」
「これデートだろどう考えても。デートでは手繋ぐのが当たり前なの、分かる?」
で、デート...言われてから気付いた。2人で出掛ける、確かにデートだ。でも付き合ってもないのに手繋ぐなんて...。
うんうん悩んでいる私にしびれを切らしたのか三橋くんは無理矢理私の手を握ってまた歩き始めた。
...三橋くん、顔赤くなってる。三橋くんも恥ずかしいのかな、なんて思うと少し嬉しくなった。
改めて見るとやっぱり整った顔。こんな人の隣歩いてるけど、私釣り合ってるのかな。
スタイルがいいわけでもないし、顔が良いわけでもないし...、自分で言ってて悲しくなってきた。
「...A、ボーッしてんな。着いたぞ」
「あ、うん、ごめん」
駄目だ駄目だ、三橋くんに無駄な心配かけちゃう。
眉間に皺を寄せる三橋くんににこりと笑ってみせ、サ店に入った。
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まるる。(プロフ) - 良ちゃんさん» コメントありがとうございます!相良くん全然出てこなくてすみません...(笑)素敵な小説だなんてもったいないお言葉ありがとうございます...!これからもこの小説をよろしくお願いします! (2019年5月23日 21時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
良ちゃん(プロフ) - はじめまして。面白くて一気に読んじゃいました!相良推しなんですが、この小説の三橋君にキュンキュンさせられてしまいました(*´ー`*)素敵な小説ありがとうございます! (2019年5月23日 9時) (レス) id: 2652916fe0 (このIDを非表示/違反報告)
咲餅(プロフ) - あと評価1つ!!! (2019年4月21日 17時) (レス) id: ffacf9010f (このIDを非表示/違反報告)
牧さん - めっちゃ好き!!ただそれだけ (2019年4月21日 16時) (レス) id: 66f0eb62d2 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - 面白いです、更新頑張って下さい応援しています!!! (2019年4月6日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるる。 | 作成日時:2019年4月5日 14時