いけめん ページ15
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｢…え、A!?｣
耳元で大きな声が聞こえて目を覚ます。
｢んん、なに…｣
｢な、何って、何で隣で寝てんの!?｣
朝っぱらからよくそんな声出せるなと思いつつ欠伸をこぼす。
｢昨日フジが酔っ払って帰してくれなかったんでしょ…ふぁぁ｣
｢嘘、そんな酔っ払ってたっけ…ごめん｣
｢別に謝らなくていいけど…今何時?｣
｢えっと、7時｣
今から帰れば仕事に間に合う。
｢じゃあ、今度こそ帰るね｣
｢う、うん。ほんとごめんね?付き合わせちゃって…｣
｢そんな謝んなくていいって、久々に会えて楽しかったし。｣
しゅんとしてるフジの頭を撫でてやると嬉しそうに笑う。
犬か、犬なのかコイツは。
｢あ、車で家まで送ってこうか?｣
｢いいの?その方が助かる｣
｢勿論!ちょっと待ってね、すぐ準備するから｣
そう言ってベッドから降りるとせっせと準備を始める。
私もそれに釣られて準備をし、一緒にマンションの下まで降りた。
｢相変わらず格好良い車乗ってるねぇ｣
｢そう?メンバーからは運転荒いって言われるけど｣
｢まぁそれがフジらしくていいと思うよ｣
なんて会話をしつつ車に乗り込む。
｢じゃあAの家までしゅっぱーつ｣
まだ眠たいのか緩い声で言えば車を動かすフジ。
チラッとフジの方を見れば、真剣な表情を浮かべて前を見てる。
こりゃあ女の子もイチコロなんだろうなぁ。
｢…A、そんな見られると恥ずかしい｣
｢あ、ごめんごめん。イケメンだなぁと思ってさ｣
｢何でそう照れる事を言うのかな君は…｣
ブツブツ呟くフジ、首を傾げる私。
｢あーもう、気にしなくていいから!スマホでも触ってて!｣
そう言われ、家に着くまで大人しくスマホを触る事にした。
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作者名：まるる。 | 作成日時：2018年7月31日 15時
