episode7 ページ8
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「どうじゃ、接客の方は」
着物を脱いでいる私に月詠が尋ねる。
「うーーん、難しいね、やっぱり。スキンシップ多いし。相手がどう言えば喜ぶのかまだわかんない」
「そうか?初めての割には出来ていたと思うぞ」
「ほんと!?ありがとう、月詠」
そういいながら楽な着物に着替える。
「ああ、そうじゃ。A、ついてきて欲しい所がある。
「?うん、いいよー」
どこだろう、と考えて歩いていると
ここじゃ、といわれてある小さなお店に辿り着いた。
「月詠、ここは?」
その質問に答えることはなく、
「日輪、連れてきたぞ」
その小さな店の奥へ声をかける。
日輪?誰?
お店の奥から出てきたのは
それはそれは美しい女性だった。
艶やかで白い肌。凛とした瞳。
つい、綺麗…、と言ってしまった。
「やだね、そんなにジロジロ見ないでおくれよ」
聞こえていたようで慌てて口に手を当てる。
「…っ、ごめんなさい、本当に綺麗だったもので」
すーっと車椅子で私の方へと近づいてくる。
「あんたが、Aかい?月詠から聞いたよ。
まさか、こんな綺麗な子が春雨とはねぇ。」
もったいないわ、といってくれる日輪さん。
まあ、私も最初は春雨に入るなんて考えてもなかったからね。
拾われたようなもんだし。
「ありがとうございます。ここで
しばらく働かせていただくのでよろしくお願いします」
そういってお辞儀をする。
「それと同時に情報収集も頼むよ。正直百華だけでは、追いついてないんだ。いくら捕まえても減りやしないね。完全にイタチごっこだよ」
やはり現状はよくないらしい。
「私もできる限りのことはします」
「ああ、お願いね」
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「日輪さん、綺麗だったなぁ。ねぇ、月詠もそう思うよね?」
「当たり前じゃ。日輪は鳳仙が生きていた頃の吉原の太陽だったんじゃ」
吉原の、太陽??
「それ、どういうこと。それって日輪さんが車椅子なのと関係あるの」
「ああ、今日は寝ていて出てこなかったが日輪には子供がいるんじゃ。その子供を守ろうとして自分の足を犠牲にしたんじゃ。それから鳳仙が吉原に日輪を、つなぎとめておったんじゃ」
そうか、それで神威が来て鳳仙が倒され、自由の身になったってことか。
鳳仙のやりたかったことってなんだったのだろう。
分からないな。
「そっか、私も鳳仙については詳しくは知らない。
だけど今は幸せそうだね」
「ああ、そうじゃな」
さ、仕事をしなきゃ!
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とみおか(プロフ) - (。・ω・。)さん» コメントありがとうございます!!土方さんかっこいいですよね( *´艸`)読んで下さってありがとうございました! (2020年4月6日 19時) (レス) id: 61b55ba5a9 (このIDを非表示/違反報告)
(。・ω・。) - 土方さんサイコーです!!この作品は面白かった (2020年4月5日 21時) (レス) id: ab2e31f108 (このIDを非表示/違反報告)
とみおか(プロフ) - 紅葉さん» コメントありがとうございます!面白いと言って頂けて嬉しいです。読んでくださってありがとうございました! (2020年3月13日 0時) (レス) id: 61b55ba5a9 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - 面白かった。 (2020年2月19日 15時) (レス) id: fbe7a16596 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とみおか | 作成日時:2019年10月7日 23時