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「Aが原因じゃねぇから安心しろって」
「だって、」
「俺も演技はもちろん続ける、演技だけじゃなくてダンスも歌も通用する人になる、辞めるタイミングを考えてたんだけど、みおと演技するのは楽しくてね」
しみじみ言われると感動するし、苦しいよ太輔
「まぁ、キスまでされるとは思わなかったけど?」
太輔は意地悪な顔して言ってくる
感動したって言葉取り消すわ!!
「今、感動したの取り消すって思ったっしょ?」
「…唖然」
「俺はAのことならなんでも知ってるからな」
そう彼の笑った顔にわたしは弱い
なんで太輔にアメリカ行きを伝えてなかったか分かる?
太輔は私の表情で感情を当てるのが得意、
だからすぐ寂しいってバレると思う
それが悔しくて、言わないでおいたの
だからわざと平日にしたんだ
色紙とか自ら断って
親友のみおにだけ話をした
太輔はわたしが思い出にふけるため持ってきた台本に目をやる
「懐かしいな、このボロボロの台本」
「ほんと毎回主役だったもんね?太輔様は」
「様つけんな笑、Aもだろーが、
Aといるとあっという間に時間が過ぎてったよ、演じてる時間だけじゃなく、部活始まる前とか、後とか、しかも、俺が部活来れないとカバーしてくれるじゃん?、クラスでいる時は地味なAだけど演技になると異常にすげえからAには刺激貰ってた
ありがとう」
「…」
ありがとうなんてらしくないよ
「で?いつ行くの?」
「秘密!」
「即答じゃん、え?教えない系?」
「言わないよ?」
「見送りしてやんねーぞ?」
「見送りなんていーらない、もう教室戻るね〜」
「おいっ!」
手首に太輔の指が触れる
きっと掴まれてしまったら喋るまで離してくれない
誰にも知られないままアメリカに行く方がいいんだ
太輔の手から逃れて
必死に空き教室のドアを閉める
心臓に悪い、なんも悪いことしてないのに、苦しい
だって出発はもうすぐだから。
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作者名:る!! | 作成日時:2020年2月19日 11時