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「ガラス越しとかドラマかよ」
「ごめんってば笑」
「鼻水出てんぞ汚ね〜!」
「うわ、最低!」
ガラス越しの彼と話すのは新鮮でギコチナイかと思ったのが大間違い、いつも通り過ぎて、安心した。
「昨日アメリカ行き聞かされて今日出発とはな」
「さすがでしょ?私の演技」
「伝えんの遅すぎ、ふざけんな笑
演技なんてしてねーだろ」
「へへ、ばれたか笑」
・・・
でもらしい会話してないと寂しくて泣いてしまいそうで
「鼻赤くして泣いて、俺のことがよっぽど好きだったんだなぁ」
「そうだね、好きすぎて鼻が照れてんの」
「その例えめっちゃつまんね爆笑」
「笑点だったら座布団取られちゃう?」
「全部取られるわ笑笑!」
こうやって笑い合うのも最後
「お前のためにさ、電車乗り継いだんだぞ?
出世払い、頼むな?」
「太輔はお仕事してるから逆に仕送り頼むよ?」
「やだね、送料馬鹿高いもん」
最後の最後まで馬鹿話してるね私達
その会話ん
飛行機に乗るよう促すアナウンスが邪魔をする
「…A」
ふと呼ばれた名前。
「…なに?、」
「お互い努力してさ、成長してさ」
「…うん。」
「実力つけたら、
ドラマで共演しような」
「……うんっ!」
「アメリカと日本で場所は違ってもAが頑張ってるなら俺も絶対頑張る、」
「…私もっ!!!」
太輔は私の目を真っ直ぐにみてこう言ったんだ。
「俺は日本で待ってるから
いつか
納得してから戻ってこい」
「…うん!」
「…もう時間だ行け!振り向くなよ!じゃあな!」
太輔知ってるよ?
じゃあなって振り返った時
涙出てたの、堪えてたの、
私達は親友でライバルだった
“好き“という言葉もなかった
でも、その関係でも十分なくらいだった。
後ろ姿を見て言ったんだ
『好きだよ』
アメリカに行ってしまえば恋しくなってしまう
だからこの関係のままでいい、
私達はそれが似合ってる
太輔もそれをわかってる。
太輔
お互い頑張ろうね。
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作者名:る!! | 作成日時:2020年2月19日 11時