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急に、頭の片隅が弾けた様な…鋭い痛みに襲われ、頭を押さえ込んだ。
「Aッ!どうした!?」
『ユ、ウ……あれ…?………もう痛くない…』
激しい痛みは何故か一瞬で引いてしまった。…一体何だったんだ?
…そういえば、さっき何かを思い出しそうだったけど……あれ?何を考えてたんだっけ…?
痛みが消えるのと共に、思い出したかった事も忘れてしまった。
『…心配させてごめん。ちょっと頭痛がしてビックリしちゃった』
私の事を心配そうに見つめるユウにそう言うと、彼は深く溜め息を吐いた後、「驚かさないでよ…心臓、止まるかと思った…」と言葉を溢した。
『あはは、夢の中なのに痛いなんて不思議だね!
……そういえば此処って、夢の中で合ってる?』
今更だが、よく考えたら一体此処は何処だ?私とユウ以外、辺りは薄暗い空間だが──…
私、部屋でグリムと眠って、さっきユウに起こされたんだよね?…という事は、夢の中では無い…のか…?んん……?
考えれば考える程頭が混乱する。
「ああ。キミ自体は今眠っているよ。夢の世界で起きてる…って感じかな?」
説明してくれたユウに『なるほど…』と言ってはみたものの、まだ理解に苦しむ。
そんな私を見たユウは、ふっ…と噴き出すと、「俺もよく分かってないんだけどね」と困った様に笑った。
「まぁさ、なんでもいいじゃん。Aとこうやって話せて、俺は嬉しいし!……それより。キミも大変だね。急にこんな世界に飛ばされて、魔獣の世話焼きなんてさ」
『……うん。ホントに驚いた』
棺の中から出てきてからの事を思い出しながら話す。
『私、この世界に来る前の事…殆ど思い出せなくて……まだとても不安なの。
グリムの事も含めて、大変な事ばかりで、気を抜けばすぐ泣いちゃいそうだけど……』
「…」
『でも、グリムもみんなも優しいから…なんとかやって行けそう』
「……そっか。良かった」
目を伏せ、優しく笑うユウ。
そんな彼を見て不思議に思う…
『ユウも優しいね』
「え?」
『私が昨日ここに来てからずっと、見守ってくれてたんでしょ?…どうしてそんなに優しいの?心配してくれるの…?
ねぇ、もしかして…私と貴方には何か…関係があるの…?』
「…」
『…私…さっきも言ったけど、…住んでた世界の事とか全然思い出せてないの……
ねえ、何か…私について知ってる事があったら教えてほしい………お願い…』
「…、」
静かに話しを聞いていた彼が、ゆっくりと口を開く。
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ぬ(プロフ) - 平凡な人さん» コメントありがとうございます(*^^*)楽観的でちょっと抜けてる監督生ちゃんと、愛重めのユウくんの今後も楽しみにして頂けると嬉しいです! (2022年7月29日 18時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» お返事遅くなりすみません!こちらこそいつもありがとうございます!(ᵔᴥᵔ) (2022年7月29日 18時) (レス) @page36 id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - ぬ、主ちゃんがかわゆいッッ!!ユウくんが出てきたのにはびっくりしました!ヤンデレ…ですかね?いつもありがとうございます!次も楽しみに待っておきますね!更新お疲れ様です! (2022年7月29日 15時) (レス) id: 5666188338 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - お知らせ了解です!いつもありがとうございます! (2022年7月25日 21時) (レス) @page36 id: 1b74a0ce77 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» いつもありがとうございます(*^^*)コメント頂けてとても励みになります!来週も更新出来るように頑張ります! (2022年6月10日 17時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬま | 作成日時:2022年4月18日 10時