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エース「(……!また急に寒く……ッ!?)」
寒さに晒され、活動停止していた頭が少し動き出して気づいた。ベッドを挟んだ窓際…多分暖炉の辺りから…刺さる様な視線を感じる……
ドクドクと逸る心臓の音が身体全体に響き渡る。そちらを絶対見てはいけないと頭では分かっているのに、ゆっくりと顔が上を向く。
完全に視線の方に顔が向けられ、いつの間にか防衛本能で閉じていた瞼も自分の意志に反し開いてゆく。
ぱちりと開いた瞳の先に見えたのは、暖炉の上に掛けられた、埃まみれで 自分の姿が映っているのが辛うじてわかる程、黒く澱んだ大きな鏡だった。
エース「………はぁ…なんもいねーじゃん…」
ホッと溜め息と共に小さく呟く。…っと、そんな事より…Aが起きて面倒くさい事になる前に、早く出て行かねーと…
鏡から目を逸らし、Aの方に向き直した。
その時、
「 何してんの? 」
声が、鏡の中から聞こえた。
ーーーーーーーー
ドンドン!!ドンドンドン!!!
エース「……う〜。誰だよこんな朝っぱらからドアをドンドンするの……って、あれ…?」
頭を揺さぶる程の大きなノックの音に ふらつきながらソファから起き上がる。そこでふと、異変に気付いた。
待ってよ。俺、いつ談話室に戻って来た…!?
クラクラする頭をフル回転させ、夜中の出来事を懸命に思い出す。
寒くて2人の部屋に行っただろ?んで、起きないアイツらの毛布とAの服奪ってやろうとして、それで──…
その時自分がしでかした事も鮮明に蘇り、途端に顔に熱が集まって来たのが分かった。
「あ゛ー!!今は違うんだって!!」と、ブンブンと頭を振り一旦忘れる。
その後また部屋が急に寒くなって、鏡から声が……した……そこからの記憶が無い。
あのままあの部屋で気を失って倒れてんなら分かるけど、なんでソファに移動してんだ?アイツらに運べる訳無いし…
うーん…と頭を捻り、考え出した結論。
エース「まさか……全部、夢オチ…!?」
なんだぁ…と、がっくり肩を落とす。……いやいや!なにちょっとガッカリしちゃってんのオレ!?
訳の分からない感情に振り回されていると、扉の向こうから、ノックと共にAの軽快な声が聞こえた。
『おはよう エース。開けていい?』
エース「!ど、どうぞ!?」
急に聞こえた声に驚きながら返答すると、『なんで敬語?』と笑いながら部屋に入ってきた。
『デュースが来てるよ』
エース「…」
『…?エース?』
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ぬ(プロフ) - 平凡な人さん» コメントありがとうございます(*^^*)楽観的でちょっと抜けてる監督生ちゃんと、愛重めのユウくんの今後も楽しみにして頂けると嬉しいです! (2022年7月29日 18時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» お返事遅くなりすみません!こちらこそいつもありがとうございます!(ᵔᴥᵔ) (2022年7月29日 18時) (レス) @page36 id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - ぬ、主ちゃんがかわゆいッッ!!ユウくんが出てきたのにはびっくりしました!ヤンデレ…ですかね?いつもありがとうございます!次も楽しみに待っておきますね!更新お疲れ様です! (2022年7月29日 15時) (レス) id: 5666188338 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - お知らせ了解です!いつもありがとうございます! (2022年7月25日 21時) (レス) @page36 id: 1b74a0ce77 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» いつもありがとうございます(*^^*)コメント頂けてとても励みになります!来週も更新出来るように頑張ります! (2022年6月10日 17時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬま | 作成日時:2022年4月18日 10時