覚悟 ページ37
「サア、モウ一度聞コウ。
──オマエニハ、コノ薬ノ全テヲ受ケ止メル覚悟ガアルノカ?」
「そんなの……」
何があるか分からないなんて聞いて、恐ろしくないと言ったら嘘になる。だけど、腹はとうに決まっている。そんな脅し、今更────!
「もちろんです! ──どんなことがあっても、私は屈しない!
……もう、無力で、何もできないままなのは、嫌です。大切な人のために、
「……ソウカ。ソレガ、オマエノ覚悟ナンダナ。
ワカッタ、モウ止メハセン。オマエニ最後の悪魔薬学、伝授シヨウ」
「ありがとうございます」
お師匠。
わざわざ心配をしてくださり、ありがとうございました。
でも私は、自らの危険を犯してまで守りたい人ができました。彼のためなら────
そして…… ごめんなさい。
「デハ、早速始メルゾ」
「……はい」
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最後の内容を学び終え、片付けをしていると、グーフォがのそのそと近づいてきた。
「A。オマエ、コレカラドウスルツモリナンダ?」
「……隊長、いや、オスカーさんの助けになりたいから、
「今ノママデハ、ソレハ厳シイカモナ」
グーフォはきっぱりと言った。まさかこんなにはっきり否定されるとは思わなかった。
「どうしてです?」
「イマ、ヤツラハテロリストダ。ソレニ、私ノ勘ダト…… 今度──ラプラスノピアノコンクールノ日、ソレヲ襲撃スルダロウ」
「そうなんですか……?」
確か、テロリストの主犯ノエル・チェルクェッティは、子どもながら一流のピアニストだ。そんな彼女が、自らの象徴でもあるピアノコンクールを攻めに来るとは思えなかった。
だが、それ以上に──グーフォの勘は当たる気がする。
「アト、バロウズノヤツヲ
「市長を? それって、どういう事……」
「マアソレハ追々分カルダロウ。ダガ、テロリストニナル前ニ、オマエニモ蓄エガ必要ダロウ。バイト先ヲ紹介シテヤロウト思ッテナ」
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