【被虐のノエル】愛したい、愛せない【フーゴ・ドレッセル】 (ページ48)

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#39 倒せない後編ページ48

先程殴られた腹部の痛みと絶えず襲う嘔吐感の他に、右腕が焼けるように痛んでいる。どうやら肘下あたりに鉄片が食い込んだようだ。確認する余裕はないが、出血も酷いだろう。

私が使っているのは破片手榴弾。爆発そのものよりも、爆発によって壊れ飛び散った金属製容器の破片で対象に危害を加える型だ。
使ったのは比較的小規模なものとはいえ、このような短距離間で使用すればもちろんこちら側にも被害が生じる。

でも、その分、対象は致命傷を避けられない。
魔人は人間に比べて身体が頑丈なので死んでこそないかもしれないが、それでも大怪我は負っているはずだ。

私まで爆撃の被害をモロに受けて動けなくなる可能性を危惧していたが、この調子なら逃げ切る分には問題なさそうだ。

リッパーがどれほどダメージをくらっているかを確認したくて、後ろを振り返る。
煙に覆われているせいでシルエットしか捉えることはできないが、それでも確実に解ることがあった。

彼は、立っている。

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