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――***―― ページ39

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「ああ、平気だよ。オレたち二人だけで何とかするさ」

「え……まさか、この先を二人で進むつもりなの? 私は、この先の広間で待っててと言うつもりだったのだけれど……」



トリエルの方が、頷き合うオレたちの姿に驚いてるようだ。



「どうせ、この先にまだまだ仕掛けやらがあるから、って理由だろ? だったら尚更、心配いらねぇよ。なんたってオレたちには……目的があるんだ」

『……』



早く、アルの元へ帰らないといけない。
きっと、俯いてるAにだって、待たせてる家族くらい居る筈だ。

そして少しでも、早く、進まなきゃいけないんだ。



「文字の知識はこいつが持ってるし、オレだって、伊達に国家錬金術師を名乗ってる訳じゃないさ」



指で軽く額をつついて見せれば、トリエルは息をついてから、頷いた。



「……わかったわ。でもせめて、ケータイは渡しておくわね。ひとつしかないから、二人で使ってもらうことになるけれど……」

「“ケータイ”?」



聞き慣れない言葉に乗せて、初めて見る薄い機械が差し出される。



『これで、離れていても会話ができるんですよ。つまりは通信機のようなものです』

「へぇ……」



あいつがもしこれを見たら、興奮状態で、即座に分解しかねないだろうな。

そんなことを思いながら、慣れた様子でAがそれを受け取り、トリエルが廊下の奥へと消えゆくのを見届けた。


……そうだ。

待たせてるのは、アルだけじゃないんだよな。


オレがこんな状態になってることに、今頃、あいつが気付いてるかどうかは確かめる術はないが。

機械鎧のことも、それ以外のことも。
あいつには支えられてきた場面が、少なからずある。


だから、また変に心配かける前に、また泣かせちまう前に、帰らないといけないんだ。



「A。早速、話をしたいところなんだけど……」



だから、正直いい加減にしてくれって言いたい。



「しつこいぞ、あんた。いい加減、顔を出せよ」



ずっと付け回してきている鬱陶しい影を、オレは睨みつけた。



「……なーんだ、気付いてたんだね」

――***――→←【第20話】傍らの希望



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設定タグ:undertale , 鋼の錬金術師 , 夢小説   
作品ジャンル:ファンタジー
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アンテ民 - Hi(^-^)/そこら辺にいる雑草コト、アンテ民でこざいま〜す!((いやぁ〜大好きな鋼錬とアンテが掛け合わせに推しのかしわ様が描いていらっしゃるとね、分かった瞬間吐血しましたねハイ(((更新頑張って下さい!!! (4月15日 2時) (レス) id: 677c09749a (このIDを非表示/違反報告)
エド推し - 初コメ失礼しましたマジ天才です!!!!!こんな神作品をつくってくれてありがとうございますッッ!!!!!! (2月24日 9時) (レス) id: 3dedb59794 (このIDを非表示/違反報告)
エド推し - マジ天才です!!!!!こんな神作品をつくってくれてありがとうございますッッ!!!!!! (2月24日 9時) (レス) id: 3dedb59794 (このIDを非表示/違反報告)
さささ―(プロフ) - 初コメ失礼します見ました!ものすごい面白かったです次の話が出るまで楽しみに待っています! (6月22日 4時) (レス) id: 03f3eacb33 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ@低浮上気味本当にすみません……(プロフ) - 葛見さん» 葛見様、初めまして。そう言っていただけて大変嬉しいです……!更新が本当に遅くて申し訳ございません……頑張って書き続けますね……! (2023年4月5日 17時) (レス) id: 850b2caf1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かしわ | 作成日時:2022年9月12日 21時

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