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オフィスに戻ると、2人の視線とぶつかった。ホン先輩とファン先輩。少し驚きながらも、デスクへと戻り荷物をまとめる。
先輩2人とは違う、隣からの視線に気付いて顔を上げると当然のように目が合った。
ミンギュの手は完全に止まっていて、私をじっと見つめている。普段とは違って真剣な表情で見つめられると、私も手が止まってしまった。
伏し目がちなミンギュが、更に視線を落とす。それを合図にミンギュはまた荷物を纏めて、「いってきまーす」と出ていった。
ホン先輩とファン先輩はそんなミンギュを見て小さくため息をついている。
「そんなに気にしなくていいよ。どうせ外回り戻ってきたら元に戻ってるから」
ホン先輩にそう言われたものの、少しもやっとしてしまう。
今は外回りに行かないと。気を取り直して私も資料をバッグに入れた。
さっき、ミンギュはどうして外で待っていてくれたんだろう。
何か言われないか、何かされないか心配で傍にいてくれたのかな。
『何にも言われてない？大丈夫？』
肩をさすりながら優しく言われた瞬間を思い出す。
駆け足で向かっていた足の動きが段々と鈍くなっていった。
私、ミンギュに心配されてばかりだ。重たい荷物を買いすぎた時も、外が肌寒い時も。
小さくため息が出たのは、自分が不甲斐ないからだ。
いくら考えてもミンギュの気持ちへの結論が出ない。
ずっと放って置く訳にはいかないと理解しているにも関わらず、中途半端に答えるのは嫌だった。
ミンギュのさっきの表情を思い出す。あれは、スンチョルさんどうこうというよりも…私に向けた気持ちが出ていたような気がした。
「はぁ」
右手首で目元を覆う。この数時間で色々起きて、流石に頭と心が疲れてしまった。
今日は無理に回らず、優先度の高い順に回っていこう。
ホン先輩はミンギュが帰ってきたら元に戻ってるから、って言っていたけれど本当に大丈夫かな。
もし、もしあのままだったらどうしよう。私は彼に何を言えばいいんだろう。
気付けば頭の中はミンギュだらけで、やっとのことで駐車場に着いても彼の社用車のスペースを見つめてしまう。
3-2と地面に書いてある駐車スペースをじっと見ながら車の鍵を開けて、エンジンをかける。
私が戻ってきたらもう帰っちゃってるかな。そしたら今日は話せない。今日のあの調子のミンギュなら有り得る話だ。
せめて、話ぐらいは聞かせて欲しい。
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夏目(プロフ) - エルさん» エルさん、いつもいつも本当にありがとうございます(；；)一番試行錯誤した会社員ミンギュの現実感をお褒めいただけて胸がいっぱいです…！本当にいつも、私の伝えたいことや拘りを綺麗な文章にしてコメントを下さり、ありがとうございます！次作も頑張ります！ (2021年10月16日 21時) (
レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - まずはお疲れさまでした！繊細な感情のゆっくりとしたステキな描写が大好きだったので寂しい気持ちもあり、幸せな2人を見て満足な気持ちもあり^_^会社員のミンギュになんか現実感満載で←これ凄い 更に楽しめました！ありがとうございました^_^新作楽しみにしてます！ (2021年10月16日 2時) (レス) id: 2a8565ccfe (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - あやちょるさん» あやちょる様、定期的にコメントしてくださりありがとうございました！そう言っていただけて、本当に嬉しいです。こちらこそ、素敵なコメントをありがとうございました(；；)次回作も頑張ります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。最後まで楽しんでいただけてとても嬉しいです。私もまる様のコメントに安心して、心温まりました…次回作の応援までありがとうございます。これからも励んでまいります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
あやちょる(プロフ) - 最後までお疲れさまでした。更新が毎回楽しみな作品でしたので、終わってしまうのが寂しいですが…素敵な時間をありがとうございました!新作も楽しみに待ってます! (2021年10月15日 16時) (レス) @page50 id: 702326c54a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年8月30日 7時
