恐竜くんとヌナ

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次の日の朝、いつものモーニングコールで目を覚まして、目も開かないまま身支度をして家を出た。

鍵をかけて、今日も小さな声で「いってきます」と呟き下に降りる。

「ヌナ！おはようございます」

……しかし、いつもと違った光景に私は足を止めてしまった。

「チャナ、おはよう」

ついさっき電話越しに声を聞いた彼がアパートの前で待っていてくれたので驚いた。そう言えばチャニは昨日ぶーちゃんのアパートに泊まったんだった。

「僕もいるんですけど〜」

と眠そうなぶーちゃんが自らをアピール。笑いながらおはよう、と言えば不満そうにこちらを見てきた。

「こいつが一緒に行くって言って聞かないんだよ、どうせ駅で会うのにさ…」

眠くて不機嫌なのか文句タラタラなぶーちゃん。そんな暴露話にチャニが「ヒョンそれは内緒にしてって言いましたよね」と小声で言っているが全部筒抜けだ。

「あいご、チャニはそんなにみんなで一緒に行きたかったんだねえ」

私がにやにやしながらチャニに言っても彼は全力否定。

「ちっ、違いますよ！」

これはたまたまで、と今更通用のしない言い訳を並べるので可愛くて頷いておいた。

朝からこうやって元気なチャニが見れて私も目が覚めた。おかげで1限目からぶーちゃんと共に睡魔に襲われなくて済みそうだ。

「ていうかチャニってまじで毎朝Aにモーニングコールしてんのね」

「そうでもしないと起きませんもん。ヌナ」

「けっ」

のんびりと駅まで向かう朝。

いつもと違うけれど、いつもよりも少しだけいい朝かも。

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