Call My Name ！ IV (ページ48)

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【「うわぁ～～～挑戦者ダウン！！鷹村のラッシュ爆発！！！挑戦者立てるか、立てるか～～～～～！？

　お、おや？レフェリーが…………カウントしません！！！試合を止めた！！！

　試合終了～～～～～！」】

　わぁぁぁぁぁあああ！！！

　その言葉に一際ギャラリーが大声を上げた。1R、僅か90秒で試合が終わったのだ。

「うっしゃぁぁぁぁぁぁ！！！！」

　朱は大声で雄叫びをあげる。肩にはキラキラと輝くベルトを掛けている。それを見ながら桜も手を挙げた。

「きゃーーーーーーー朱ちゃんさすが！！！強い～～～～！！！」

「穂高うるっせえ！………ダウンなんて忘れちまう位派手な連打………なんだかんだ言ってリングの上のアイツぁ光ってるな」

「それが朱ちゃんだもん！」

「…………」

　そんな話をしてる笠松達を他所に黄瀬は黙ってリングの上でガッツポーズを取ってる朱を見ていた。

　負けて欲しかった。負けて、ボクシングを辞めて欲しかった。だけど…………やっぱりあの人に負けは似合わなくて。こうして沢山の人の前でああして堂々としてる方がしっくりくる、そう………思ってしまった。

　鳴り止まない歓声と拍手、笑顔の中、黄瀬だけが複雑な顔をしていた。

　＊＊＊

「祝勝会盛り上がったっすね、朱センパイ！俺河豚なんて初めてっすよ！」

「…………まあ、美味しかったな。けどハンバーガーの方が食べたかった」

「朱センパイほんとハンバーガー好きっすね～」

「美味しいだろ、あれ」

　試合終わり、私は黄瀬と帰り道を歩いている。今回の祝勝会にはいつものメンツと桜、笠松に黄瀬も来た。八木さんが奮発してくれて河豚刺身を食べたが、腹に貯まらない。

　今回は減量苦もあったしもっと腹一杯になれるものが食べたかったが文句も言えない。んで、それも終わって黄瀬と一緒に帰ってる。