Call My Name ！ Ⅱ (ページ24)

今日:8 hit、昨日:7 hit、合計:889 hit

#71 ページ24

＊

　俺はバスケボールを持ちながら隣の列を見る。マッチョ軍団＿＿ボクシング部の大きい体躯、早そうな雰囲気のマッチョの傍らには10キロはありそうなサンドバック。………って。

「さ、サンドバックぅ！？え、え、なんすかそれ！？普通グローブとかじゃないんすか！？」

「黄瀬うるせえぞ！！！集中しろ！」

「まー、驚くよなー最初は。けどこれがアイツらの"普通"なんだよなー」

「修行と勘違いして(る)っすね！完璧に！」

　センパイ方は笑いながらそう言う。…もしかしてもなく、これを持って朱センパイも走るのか………………？

「それでは始める！！！！位置について、よーい」

　パァン！！！！！！

　乾いた音が響いた。それと同時に一斉に走り出す。先頭は＿＿＿＿ボクシング部だ。そしてそれを後ろから追尾してるのが早川センパイ。

　距離はだいぶ離れてる。ちら、と横を見た。横には同じくアンカーで唯一女の朱センパイ。声をかけようとしたけど今はダメなやつ。すごい集中力である。

　レースは白熱を極めていた。3番手のボクシング部マッチョ、盛大に転けて。そのおかげで今はバスケ部が先頭だ。ほかの部にも抜かれてる。だいぶ貯金が出来てる。とうとう次は自分の番、俺は片手を後ろに出しながら集中するセンパイに言った。

「…約束、忘れないでくださいっす………ね！！」

　俺はボールを脇に抱えて走り出した。アンカーは二周だ。けど譲れないっすよ、俺だって勝たなきゃいけない理由があるんすから。

　そんなことを思いながら走ってると＿＿＿＿＿＿＿＿＿

　ズドドドドドドドドドド！！！！！！

「！？」