Call My Name ！ Ⅱ (ページ22)

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「応援してやる」

　センパイにこう言われた。耳を疑った。あの自分の戦い以外無関心なセンパイが俺を応援してくれると言ったのだ。

　それも、すごく小さなか細い声で、どこか自信げに。何度も見てきて、この顔が本心で言ってることを示してて…………嬉しくて、幸せだった。

　でもセンパイはやっぱりわかってない。
　から、寂しかったしむっとした。だから条件を勝手に出した。

「…………デート？」

「そうっす。オシャレな格好して、オシャレな所に一緒に行って、オシャレにご飯食べたり遊んだりする、そのデートっす！…………どうすか？」

「別に…………したいと思わないしいい」

「だーかーらー、俺が1位になったら、っすよ！いいと思うならリレー頑張ってくださいっす！

　…………これは勝負っすよ？」

　少し挑発っぽく言った。何ヶ月センパイと行動共にしてるって思うんすか？センパイの扱いなんて慣れてるっす。

　センパイは思った通り眉を顰めた。

「…………合同練習の時、お前に勝っただろ、私は」

「それは個人種でしょ、今回は団体戦っすもん♪」

「………………………」

　センパイは黙る。きっと考えてるのだろう。ダメ押しにもう一言。

「………逃げるんすか？」

「やる」

「早っ！………そうこなくちゃ♪

　ほら、自販機に早く行きますよ！」

「わっ」

　俺はそれを聞いてから朱センパイの腕を掴む。細い腕から感じる脈はほんの少し早く感じた。