Call My Name ！ Ⅱ (ページ36)

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　…………黄瀬のキス騒動。それは朱と黄瀬、桜しか知らない事件(？)でこの3人以外誰も知らない。けれど、変化は周囲の人間も巻き込んだ。

　＊＊＊

　Part1: 朝

「あ、朱センパイ！おは＿＿＿」

　ビュン！！！！！

「！？」

「きゃあっ！！！」

　朝、いつも通り校門の前で朱を待っていた黄瀬。いつも通り声をかけようと手を上げたが＿＿＿朱はそれを聞く前に凄い速さで駆け抜けていってしまった。

　あまりの速さに女子のスカートが捲し上げられる。どんな速さだ。

　Part2: 昼休み

「朱センパ～～～～～～イ！ご飯食べま「悪い桜、絢」………？」

　いつも通り、授業が終わって昼休みに入ると黄瀬が教室に姿を見せた。それを見るなり朱は反対側の扉の方に立って片手をあげていた。

「今日はボクシング部でトレーニングがあるんだ。じゃ、いってくる」

　ビュン！！！！

「うおっ、おい鷹村、あぶねえだろ！？」

　そういうなり朱は走っていってしまった。廊下を歩いてた小堀が尻餅ついている。ぶつかったらしい。どんな馬鹿力だ。

　Part3: 放課後

「朱センパ＿＿「シィッ！」っ！？」

　ドガァッ！！！！！

「グフゥッ！！！！」

　ボクシング部活動の場、プレパブを開けると視界に入ってきたのはマッチョ共の山。器用にタワーが出来てる。その先で朱が大声を上げている。

「てめえらぁ！！！！！期末テスト前の貴重な放課後部活だぞ！？声張れやぁ！！！！！！」

「う、うす…………」

「なんかセンパイピリピリしてる………」

「うげぇ…………」

「黄瀬、逃げろ。今日は一緒に帰るとか言うな。死ぬぞ＿＿＿「そこぉ！部外者と話してんじゃねえ！！リングにたてやぁ！！」ぐえっ！！！！」

　黄瀬に忠告する櫻井の頭にグローブがぶつけられる。そして完無視。見ようともしない。

　…………この3パターンを見てもらっておわかり頂いただろうか？つまり、朱は徹底的に黄瀬と話そうとしないのだ。すっかり二人一緒にいることが定着してる2人がここまで絡まないのは珍しい事で。

「黄瀬くん、とうとう振られたのかな？」

「女王が本気で相手にしなくなった………」

「これで黄瀬くんは私たちの相手してくれるね♪」

「それはともかく、絶対なんかあったぞ…………」

　………そんな噂が、まことしやかに囁かれた。