なんかカオスな短編集!!【ヘタリア】

34.残された時間【プロイセン】*切 ページ34

ギル「…A」

正直、寒くて何も考えたくなかった


顔をあげたくなかった

ギル「…なぁA」

『…』

ギル「…悪かった」

今顔をあげると霜焼けで顔が真っ赤で表情が固い、変な顔だろうな

『…来てくれたんだ』
ギル「お前は頑固だからな。ほっといたらいつまでも待つと思ったんだよ。そしたら案の定」

『…わかったような口、聞かないでよ』

素直じゃない言葉が口から漏れる

ギル「へいへい。…寒いだろ、そんな格好じゃ」

そういい、自分が着ていたコートをかけてくれた

『…っ』

別れを告げにきたんでしょう…?

なのになんで…


優しいの…?

『…いらない。ギルの方が寒いでしょう?ぶっちゃけ私、もう感覚無いから』
震える声を隠しながら淡々と皮肉を言う

ギル「相変わらずだなぁ…感覚無くなるまで待たせた事、謝ったじゃねえか…なぁ、顔、あげてくれよ」

『…』

そっと顔をあげる
霜焼けで顔が痛い…
半開きの目には愛しくて愛しくて仕方のなかった人の顔が写された
ギル「…ごめんな、A」

そういい、彼は私の顔に手を添えた
もう…やめてよ…優しくするのは…


ギル「ほらよ」
『ありがと…』

自動販売機の隣にあるベンチに腰をかけ、暖かいコーヒー缶で手を温める

暫し静粛がつつぐ

『…ねぇ』
ギル「…なんだ?」

もう、いいや
この人は別れるつもりなんだろうし嫌われたって…

『…なんで別れようなんて言ったの?』
ギル「…」

『…答えられないの?答えたくないの?』
ギル「…」

罰が悪そうに顔を下に下ろしたまんま口を開かない

彼の態度が、寒さと重なり少し腹が立ってきた
『…浮気…とかか』
ギル「…っそんなんじゃ…ねぇ…よ」

一瞬、必死な顔で此方を見たあとゆっくり視線を下ろした
目を合わしたくないのか…

『…ちゃんと言ってくれないと私も腑に落ちないよ…どうせ別れるのなら、全部知りたい…』
ギル「…お」

やっと口を開いた…
どんなに酷い事を言われようが、絶対に泣かない

ギル「…っお前の事…!もううんざりなんだよ…っ!」
『!』

ギル「変な所で冷めてるし、一緒にいて楽しくなかったし…!」
『…』
…あぁ…そうか…私、うざがられてたんだ…

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