流星ブラック ページ1
「消えちまえば良かったんスよ!!」
今回の「返礼祭」は、初めて俺たち後輩が中心になって行われるドリフェスだ。今までの先輩たちへの恩返しとして、俺は絶対に参加したかった。だけど俺だけの判断で参加する訳にはいかない。忍くんと翠くんにも意見を聞いたところ、
「返礼祭!是非拙者も参加したいでござる〜♪」
忍くんは快く賛成してくれた。
きっと翠くんも、なんだかんだ言って先輩たちのこと好きだと思う。俺はもう参加する勢いで翠の意見を聞こうと耳を傾けると、…いつものような返事が返ってきた。
「え…なんで俺が…。めんどくさい…鬱だ、」
いつもと変わらないセリフ。でも俺はそれが理解出来なかった。
まあその日は身を引き、数日がたった。
「…八百屋の手伝いをする…ッスか?」
翠くんは本当に返礼祭には出ないみたいだ。
実家の八百屋の手伝い??家族の手伝いも大切だろう、でも、それはいつでも出来ることで、返礼祭は、先輩たちへ恩返し出来るのはその日1日しかないんだ。なのに。……恩返しすることからも逃げるッスか?翠くん。そんなに、嫌々流星隊をやってたんスか?あんたの先輩たちへの想いってそんなもんなんスか?正直見損なったッス…。
気づいたら俺は翠くんの胸ぐらを掴んでいた。
忍くんも転校生も目を見開いて驚いている。少し怯えている。いつもはこんな事しないし、余計だろう。
でも言う時は言わなきゃ、今は絶対言わなきゃいけないから。
言い合いになって大喧嘩してる俺たちの元に、先輩たちが駆けつけた。どうやら心配した忍くんが泣きながら先輩たちに助けを懇願したらしい。ごめんなさいッス忍くん。転校生も救急箱を持ってきてくれた。
「どうしたどうした!!何があった!」
あぁ、また先輩たちに迷惑かけるのか。
最後まで俺たちは子供だ。
今回だけは自分たちで解決したかった。
先輩たちへの恩返しという意味もあるし、先輩たちが卒業した後の、流星隊は3人だから、先輩たちはいないから、返礼祭だけはしっかり俺たち1年だけでやりたかった。親離れしなければならないんだ。いつまでも、先輩たちに守られ、愛されてるだけじゃダメなんだ。
それを、翠くんも分かってる筈なのに。
返礼祭当日、やっぱり翠くんはまだ来ていない。
でもやっぱり…
「忍くん、少しだけでもいいから、3人の時のリハがしたいっス…」
「おお!拙者もでござるよ!翠くんは来てくれるって信じてるでござる」
忍くんはそういうと可愛く微笑んだ。
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りんごどん | 作成日時:2017年3月1日 2時