Episode29 愛の国の見解 ページ31
「あの、Aさん、やっぱり怒ってらっしゃいますよね……？」
私がキャシーさんを見送ったまま黙っていたため、菊が恐る恐るといった様子で尋ねてきた。
「あ、いや、ちょっと考え事。今回のことは私のためを思ってしてくれたことだし、怒ってはないけど……キャシーさんを巻き込んだことはちゃんと反省してよね！」
「はい……」
「ごめんなさい……」
私がそう言うと、菊とアルはしゅんとして首を垂れた。
しかし一人だけ違った様子で______
「キャシーちゃん可愛かったなあ。彼女がいるくせに、あんな子と留学先で一緒に勉強とか羨ましいし許せない！なあA？」
「ふ、フランシス！？流石の俺でもここは空気を読むところだぞ！？」
「Aさん、この人は私とアルフレッドさんからよく言い聞かせますので……！」
フランシスの言葉に大慌てする二人。
でも私はこれがサインだと分かっていた。
「ねえフランシス、もしかして気づいた？……キャシーさんたぶん、アーサーのこと……」
「お兄さん愛の国出身だからね〜！気づいちゃった♡」
さっきまであたふたしていた菊とアルは、その言葉でピタリと動きを止めた。
フランシスは言葉を続ける。
「眉毛がモテるのは気にくわないけど、そうだと思うな。ただの友達なら、こんなタイミングで一緒にここに来ないでしょ。大方Aと会って、意志を固めようとしたんじゃない？」
「諦めるか否か？」と私が付け足すと、フランシスは「その通り」と口端で笑った。
「全然気づかなかったんだぞ……！？フランシス、君って実はすごいやつなんだな！！」
「ん〜オコチャマなアルフレッドにもやっと俺の凄さが分かったか〜！もっと言ってもいいんだぜ？」
「調子に乗るとうざい」
ショックで膝をつくフランシスを無視して、菊が話題を戻す。
「でもそれだとAさん、この状況少しまずくないですか？アーサーさんの留学期間は残っていますし……」
「うん。留学先のことは覚えてるし、近いうちに戻っちゃうと思う。それに記憶喪失だから、キャシーさんはアーサーを諦めなくて済む……」
今、記憶のないアーサーが、キャシーさんに恋心を抱いたらどうなる？
そんな想像をしかけて、慌ててかき消した。
「とにかく今は、アーサーの記憶がすぐ戻ることを祈るしかないかな！」
私がそう言って微笑むと、三人は「そうだね」と頷いてくれた。
明日来た時、状況が少しでも良くなってるといいけど……。
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留佳(プロフ) - milkteaさん» ありがとうございます！喜んでっっ (2015年10月25日 19時) (
レス) id: f95be04ee3 (このIDを非表示/違反報告)
milktea - とても素敵な小説だと思います！あの〜良ければお友だちになっていただけませんか？？ (2015年10月14日 15時) (レス) id: 10936bb74d (このIDを非表示/違反報告)
留佳(プロフ) - マリニさん» ありがとうございます！！！ 全然更新せずに申し訳ないです (´･ω･`) 今月中に1話は必ず更新します！ (2015年6月5日 20時) (レス) id: f169f8f483 (このIDを非表示/違反報告)
マリニ(プロフ) - この作品ホントに大好きです！更新楽しみにしてます！ (2015年6月3日 22時) (レス) id: c551b84f25 (このIDを非表示/違反報告)
朱雀(プロフ) - 留佳さん» うまく出来たかな？(レス遅くなってごめん！) (2013年5月30日 19時) (レス) id: 1f4d45d945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：留佳 | 作者ホームページ：
作成日時：2011年4月17日 18時
