まほうの【さとみ】

5 ページ6

話を聞くと、

小さい時に猫に引っかかれて以来

猫が怖いらしい。

さ「こんなにかわいいのにねぇ〜」

「ﾆｬｧｰ」

俺の膝の上の猫は

返事をするように泣いた。

『本当に無理なんです…』

さ「でもその割に…」

さ「猫めっちゃ寄ってくるね？笑」

『そっそうなんですよ！だから困ってて』

いつもより早口で話す

道村さんはあどけなくて笑みがこぼれる。

『そっそれより、さとみさん』

『なんで中庭に？』

さ「あっ、すっかり忘れてたわ笑」

さ「昼食べようとしててさ」

俺は弁当を広げる。

『えっえっすごーい！』

『マメな彼女さんなんですね！』

道村さんは目を輝かせている。

さ「えっなに彼女って」

『なんですか〜！隠しても無駄ですよ！』

『2個上の女医の彼女さんがいるって』

いやいやいやいやなにそれ！？！？

さ「いや俺彼女いないって」

『さとみさんって照れ屋さんなんですね笑』

話を聞く気ないな？こいつは。

さ「まーじでいないからさ！」

少し声を張って訴える。

…

『えっ本当ですか…？』

さ「だからさっきから言ってんじゃん笑」

『え〜じゃあその弁当何なんですか？』

さ「自分で作った」

『えぇ！？さとみさん料理するんですか！？』

さっきから失礼だな…笑

さ「普通にするよ笑」

『えー私見直しましたさとみさんのこと！』

さ「いや俺どういうイメージ笑」

なんだか、いつもは俺がからかうのに

今日は俺が道村さんのペースに

のせられているんだが。

でも、こんな昼もいいかもな。

6→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す