まほうの【さとみ】

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｢さとみさん…ですよね｣

さ｢はい…｣

｢俺、広大って言います｣

広｢Aは昨日の昨日までずっとあなたの話をしていました。幸せそうな顔で｣

広｢何があったんですか｣

そんなの俺が聞きたい。

どうして会社に来ないんだ

どうしてメッセージを見ないんだ

どうして手を振り払ったんだ。

わからない。わからないんだ。

広｢まぁ時間が経てばなおると思います｣

広｢今日のところは帰った方がいいかと｣

そう言われ、俺は帰った。

きっと今の俺は苦虫を噛み潰したような

そんな顔をしているだろう。

悔しかったんだ。

俺より幼馴染の方が理解しているようで。







ｶﾞｼｬﾝ!!!!!!

家に帰り、コーヒーを入れ

気晴らしにテレビをつけた。

そこには

｢昨日、無職35歳の高瀬容疑者が薬事法違反の容疑で逮捕されました。高瀬容疑者は薬事法違反に当たる数点の薬で一種の惚れ薬を製造したと思われます。薬の名前はラブポーション。既に日本各地に出回っており、警察が順次回収をしているとのことです。容疑者はほんの出来心だったと供述しており…｣

さ｢嘘だろ…｣









さ｢あぁ、そうか｣

さ｢バレたのか｣

俺の瞳から零れた涙が

コーヒーの上に落ち、

ﾎﾟﾁｬﾝと静かに音を立てた。

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