まほうの【さとみ】

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さ｢A〜？｣

部屋には人影がなく、

布団だけが盛り上がっている。

さ｢A…｣

寝ている人を起こすのはどうかと

思うが、聞きたいことがたくさんある。

Aの体を揺らすと、



ﾊﾟﾝｯ!




破裂音のようなものが鳴り響く。

何が起きたのか分からなかった。

目の前には盛り上がった布団と

少し赤みを帯びた俺の手。

…振り払われた？

さ｢お、おい…｣





｢帰ってください｣

そう告げられた。

帰ってください。

掠れていて、そして

とても冷たい声だった。

さ｢俺、何かした？｣

『話したくもないです、帰ってください』

さ｢ど、うして…｣

意味がわからない。

どうしてこんなに拒絶されているのだろう。

『帰って！！！！！！！！』

Aは震えた声で叫んだ。

後ろから幼馴染くんに肩を叩かれる。

｢今はそっとしてあげてください｣

｢少ししたら落ち着きますから…｣

なんだよ、なんでそんなに

Aのこと

全部分かってるかのように言うんだよ。

全部分かっているのは

俺じゃなきゃダメなのに。

腕を引っ張られて部屋をあとにする。

最後に名残惜しく振り向いた時見えた

布団の膨らみは

さっきより小さく見えた。

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