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走った。

全力で。

Aが待ってると確定はしてない。

俺と同じように中止だと思って

普通に家にいるかもしれない。

待っているかは分からないけど、

さ「待ってるかもしれないだろ!!」

待ち合わせ場所に着いた頃には

もう雨は小雨になっていた。

何度水溜まりを踏んずけただろう。

俺の靴はもうぐしょぐしょだ。

靴だけじゃない。髪も服も何もかも。

でもそんなことどうでもいいんだ。

さ「A!!!」

愛しい君は、木の下で丸く蹲っていた。

『さとみくん!』

『って大丈夫ですか!?』

びしょ濡れじゃないですか〜!と言って

ハンカチで俺を拭くA

さ「何言ってんだよ…」

さ「Aの方が濡れてんじゃん…」

目の前のAは、

髪の毛から雨粒が滴り、

服も肌に貼り付いている。

撫でた頬はどれだけ待っていたかを

俺に教えてくれるくらい

とてもとても冷たかった。

さ「待ってたのずっと」

『はい!』

さ「中止だって連絡したんだけど…」

『えぇ!?そうなんですか!?』

『携帯水没しちゃって…』

さ「だから既読つかなかったのか…」

さ「それにしたって帰るだろこの雨は…」

『さとみくんを待ってたので!』

さ「来なかったかもしれないだろ」

実際、あのままずっと家にいたかもしれない。

『さとみくんは絶対来ますよ!』

『だってほら今もいるじゃないですか!』

自分のことのように

ドヤ顔でそう言うAが

愛おしくて愛おしくて。

Aの頬に添えていた俺の手を、

Aが優しくさする。

手からジワジワと心まで。

暖かくなった。

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ネコ日和。 - おもしろかった…!!!!! (2022年8月20日 14時) (レス) id: 18b130b5d8 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - イチゴさん» ありがとうございます!ほかの作品の方も是非見てください! (2019年6月4日 15時) (レス) id: 2420525602 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ - 文章のかき方がタイプすぎました!面白かったです! (2019年6月4日 4時) (レス) id: 78d13a8595 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - みるはさん» 最後まで見てくださりありがとうございました! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 2420525602 (このIDを非表示/違反報告)
みるは(プロフ) - いいお話でした!完結までお疲れ様でした!ほかの作品も頑張ってください! (2019年6月2日 23時) (レス) id: a6180f1bc4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2019年5月19日 23時

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