ANTI【1話】 ページ1
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チュンチュン ..
子鳥のさえずりと カーテン の 隙間 から 薄く 漏れる 光に 、ゆっくりと 目を開いた。
『 .. もう朝か 、 .. 』
重たい 身体を 無理矢理 起こして 、 洗面所 に 足を進める。
歯を磨いて 顔を洗って .. 目元に キラキラ を 散らばせて .. 赤い口紅を 塗ったら ..
" マブイ女 " の 完成。
其の儘 髪を とかして 、 寝癖を 直し .. いい感じに出来たら いつも の 制服を 身に纏う。
『 ん 、いい感じ。 』
今日 も 頑張ろう 。
なんて 、心の中で 思いながら 鞄 を 手に取り 玄関の 扉を開いた。
扉 の 前には 、 いつもの 彼。
『 猛くん 、 いつも ありがとうね ? 』
「 どうってことねェよ、気にすんな。」
素直に ありがとう を 伝えると 、 猛くん は 照れくさそうに 頬を搔いて .. 狂犬 なんて 見る影もない。
「 ん 、行くぞ 。A 」
そっ ..と差し出された 手を握ると 今度は 嬉しそうに .. 無邪気に 笑った 猛くん 。
こんな笑顔 見れるの 、きっと私だけ。
そう思いながら 彼に連れられて 、学校まで 足を進めた。
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カァカァ ..
.. と 、.. 朝なのに 子鳥のさえずり ではなく 、カラスの鳴き声 が 聞こえる。
「 相良さん 、Aさん .. ちわッス ..! 」
『 わーあ ! おはよう! 後輩くん ♡ 』
元気 に 挨拶してくれた 後輩くん に 笑顔を 見せて 、手を振ると .. しっかりと 振り返してくれる後輩くんに 可愛いなぁ ..なんて。
そんな事を思っていると 、 肩に腕を回されて グッ ..と 引き寄せられた。
「 後輩に 媚びてんじゃねェよ 」
鋭い 目付きが 私を射抜いて 、思わず 肩が竦む。
そうです 。 私の狂犬くんは とーっても 独占欲 が 強いんです。
それは 後輩にも 、同級生にも 、.. 番長にも。
「 相良 、後輩にまで噛み付くんじゃねぇよ。 」
「 うるっせえよ、智司。言わねぇとわかんねェやつが多いみてぇだからな 」
.... それってもしかして 私の事 ?ん ???
頭の中に ??? を 作り出しながら 、連れられるがままに 校内に足を運んだ。
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作者名:もちもち | 作成日時:2020年7月30日 21時