１０年前の事件

Episode.16 ページ19

「じゃあ、この前決めた通り、美門・上杉・小塚はこの家の調査な。アーヤはほかに血痕とか、隠されている宝石がないか、見て来い。」




えぇっ！ひ、一人でこの家を一周してくるの？


「ハ〜ト虫は知っている」の時みたいに、虫がいっぱいいるかもしれないのに…それに…一人で回るのってその、怖いというかなんというか。



ちらっと黒木君を見ると、ふっと笑って言った。








「この家、広そうだし、俺とアーヤで手分けして探そう。若武は、どうするんだ？」



やっぱり、わかってくれた。


よかったぁ。黒木君がいてくれるなら安心だね。







「俺は、宝石を調べる。じゃあ、各自、調査開始っ！」








よーし、頑張ろう！





「まずは、一階から見て回ろう。」



それで、黒木君と部屋を見て回ったんだ。でも、何にもなかった。







二階は、黒木君が見てくれた。階段が抜けそうだし、危ないからって。



黒木君って、気配りができるよね。



若武と大違い。









で、二階にも何もなかったみたいで、小塚君たちのところに戻ったの。








そしたら、上杉君が何をやってたのか教えてくれたんだ。事件ノートに記録しなくちゃいけないからね。









まず、床の足跡を調べてわかったのが、ここに入ったのは2人だということと、

二人とも男で、身長は二人とも170cmぐらいの、社会人。荒れた跡があるから、血痕はこの二人のどちらかじゃないかということ。それと、片方は血痕のついていない、ほかのところにもあって、あちこちついている靴下の跡と形が同じなので、片方はもともとここに住んでいたんじゃないかってこと。靴のメーカーは、駅前に売ってるものなので、この周辺の人間なんじゃないかってことぐらいらしい。
でも、足跡だけで、こんなにわかるんだね。すごい。






二つ目。血痕DNAの採取。これは、家に帰って分析してみないとわからないし、分析しても犯人はわからないということらしい。

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