Sでちょっとアレな女が悪魔になりました【魔入りました！入間くん】

第8話「母の位階」 ページ13

あれから何日かたち、
離桜に懐かれた喜びも落ち着き、冷静になってきた頃。


私は思い出した。
離桜は、いや、キリヲは将来。
『六指衆よりも上の、幹部という凄い立場になる悪魔だったではないか！』


もしかして、もしかしてぇ……！
まさか、離桜が！離桜が！

『親離れ』する時が来てしまう……？



「そんなのっ！耐えられない！寂しい！！」
私は思わず半泣きで目の前の机を叩きつけた。
無理！離桜が、離桜が離れていくなんて。


私は今まで誰にも存在を悟られていなかった悪魔だ。
というか、「存在しなかった」悪魔だ。
だから、勿論位階(ランク)も、アレフだ。初期値だ。

そんな母親の事を知ったら、離桜はどう思うのだろう。


蔑まれる？見下される？無視される？それとも…………飽きられる？
「嫌だっ！！嫌だ！」


位階を家系魔術で上げさせる？
いやいや、そんなんじゃ離桜にバレてしまうかもしれない。
それに。


母として。常に息子の上にいたい。
そう思うのは、わがままだろうか？


「他の子にはまだうちの息子はあげられません！！！」
私は強くなる事を決意した。



と言っても、少年漫画のようにウサギ跳びとかするわけではない。
位階は正直、成人してから上げる方法が分からない。強くなったら上げさせようかな。

それで、何をするのかというと。
まず、社会の根幹を担っている部分に食い込むのだ。

強くなるとはつまり、誰よりも影響力を持つ事だと私は思っている。
まあ、私は正直弱い。力で勝つ事は難しいだろう。ならば、目指すは政治への関与。


離桜の上司となるバールは13冠になる。
ならば、母としてその上を行かなければならない。

しかし、三傑に加わるのは明らかに不自然であり、私は魔王になりたくない。


という事で。その間で、魔関のアドバイス役をしよう！
私の家系魔術を使えば、出来ない訳ではないはず。

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アザゼル・アンリ視点


私は部下達を連れて、バビルスの裏に向かっていた。

先日、部下に渡されていた手紙を見ると、そこには
「バビルス裏で待つ。有益な情報を渡す。1人で来い」という内容が書いていたのだ。

怪しすぎる。何かの罠としか思えない。だから私は警戒し、部下達を連れてきた。
万が一に備え、バビルスの生徒も避難させておきたかったが、混乱を招きすぎるのも駄目だ。
我々だけで、学園で被害が起こらないようにしながら対処する事になった。

「あら？た、たくさんでこられたんですね？」

第9話「みんなで魔術面接……！？」→←作者の話（これから話があるときは、ここに追加しています）

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