ひとつ屋根の下にいるあいつ【角名 倫太郎】

嫌なやつ？ ページ11

『私いつから君の従兄弟になったの？』

放課後、また教室前の廊下に福山は立っていた



「そっちも部活行くんだろ？ならちょっと歩きながら話そう」



『分かった』




「従兄弟の件は今日女子に聞かれたんだよ。血縁関係もないのに一緒に住んでるなんて流れたら福山もやばいと思って。
ごめん、嘘ついた」



『……なにそれ。でも、まぁ何か考えがあるのかなと思って聞かれても否定しなかったよ』



「あのさ、…悪質な奴らもいるから。学校であまり俺に絡まない方が良いかもよ」


『ああ、角名君ファンクラブあるらしいもんね。べつに、そんなの私が決めることだし。用があるのになんで行ったらダメなの？
あ、角名君も今日みたいなの嫌だった？』




「俺は良いんだけど。お前、ほんと強いな」



『まぁ、守ってくれたってことだよね。そういうことなら分かった。ありがとう』



「……はっ？」



『なに？なんかおかしなこと言った？』



「いや、素直すぎて気持ち悪い」




『なにそれ。どうせ私はきついですよ〜』



「しかし、あんなに嫌がってたのに鍵渡してくれるとはな〜」



『そりゃ、お父さんとお母さんすごく喜んでるし。それに……』


「それに？」



「そんなに嫌な奴じゃないかもって思ったから」

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