27.挑発 ページ27
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「なにそれ。」
和也「その代わり、俺が勝ったら“カズ”ね。」
「へ？なんで？」
和也「酒は並大抵に飲めるんでしょ？」
得意げに口角を上げて見せてからジンのグラスを傾ける二宮。
私のイメージしてたアイドルって、キラキラスマイルのはずなんだけど。
今ここで、目の前で笑ってるこのアイドルは、なんだか意地悪くも見える。
「…絶対？」
和也「絶対(笑)」
「嘘だ、笑ってる。」
和也「いつも笑顔を忘れないのがアイドルでしょ。」
「…ていうか、なんで“カズ”なの？」
和也「ちょっとはツッコめや！(笑)」
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お父さんとお母さんの話をしていたはずなのに…
いつの間にこんな話がすっ飛んだんだろう。
考えながらハイボールをグイッと飲んだ時、ふと思った。
まさか
私を元気づけようとして、わざと？
…いやいやいやいや
二宮に限ってそんなことあるはずがない。
あの二宮が、だよ？
いやいやいやいや…。
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でも
“Aが言ってるのと違って、凄く良い子よ？”
みっちゃんはそう言ってた。
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馴れ馴れしく私の懐にまさぐり込んで
それなのに向こうは、まだ謎な部分が多い。
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この人…二宮って本当はどんな人か
私は知りたいの？
気になるの、かな…。
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……って
うん、ここまでは覚えてる。
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覚えてる、んだけど…。
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問題はそこから。
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「･･･。」
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目が覚めたら
…ううん実際、目が覚める前から
いつも寝てる布団の感触と違うことに違和感を覚えて
重い瞼を開いたら
「･･･。」
ウチのじゃない色の枕が一番に見えた。
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低反発だから乗せてる頭が楽チン。
包まってたスカイブルーの掛け布団も、あったかい羽毛。
ロフトじゃなくて、なんかクローゼットらしきものもあるし
天井も壁も…まず部屋が、違う。
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「(あ、れ…？)」
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私の家じゃない…。
ここ、どこ？
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キョロキョロ辺りを見回すけど、寝室らしきこの部屋には私一人だけ。
布団の中から身体を起こすと
ふと、自分のオデコに何かが貼られていることに気付く。
ぺりっと剥がしたら、それは蛍光イエローの付箋で
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“ここは二宮さんの家です”
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って書かれてた。
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作者名：ハロ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/helloamnos/
作成日時：2013年10月22日 18時
