彼の魅力 ページ8
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テヒョンさんはいつも日本語で、自分の持ってる語彙の中から一生懸命言葉を探しながら話してくれる。
" これみず、のみますか? "
とか、
" しゃしん……ぼくがとった、ですから、……みてください "
とか。
彼はこうやってコミュニケーションを取ろうと日本語を使ってくれるのに、私は韓国語を何一つ知らなくて。
彼らと仕事する前に少しぐらいは勉強しておくべきだったんじゃないか、と自責の念に駆られる。
でもずっと準備で忙しかったし、毎日残業ばっかだったし、なんて言い訳がぽんぽんと思い浮かぶ自分にも嫌気がさす。
私がそんなことを考えているなんて全く知らないテヒョンさんは、休憩時間の今もニコニコして私の隣にちょこんと座っている。
TH「 つぎの〜さつえいは……よじ!よじから! 」
『 ……そうです、四時。…休憩、取らなくて大丈夫ですか? 』
他のメンバーさんはみんな控え室に戻ったけれど、
テヒョンさんはずっとスタジオにいるみたいで。
TH「 うん、……ここにいて、いい? 」
『 っ、もちろん! 』
少し悲しそうな顔をして聞くものだから、慌ててそう返事をした。
そしたらまたふわっと笑って私の目を見つめてくる。
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彼と実際に会って感じたのは、彼が纏う独特の空気が素敵だってこと。
テヒョンさんのそばにいると、張り詰めた気持ちの糸が1本1本簡単にほどかれてしまうような、
そして あっという間に彼の温かい空気に飲み込まれてしまうような、
そんな感じがする。
彼が瞳の奥に持つ暗い " なにか " とか、そんなのはよくわかんないけど、
彼の繊細さとか、優しさとか、豊かな感受性とか、短い時間でもすっごくたくさん伝わってきて。
ただ、こうやって彼のそばにいると すごく心地よくて安心する。
……こんな人がずっとそばにいてくれたら、どれだけ幸せなんだろうか。
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TH「 ……そんな、かなしい顔、しないでください 」
『 へ、……ごめんなさい、 』
テヒョンさんは考え事をしていた私の顔を覗き込んで、切なそうにそう言った。
TH「 ……いやなことが、ありましたか? 」
『 ……ううん。 』
私がそう言うと、彼は " ならよかったです " とまた微笑む。
その笑顔に、私はまた心がギュッとなる。
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まこ(プロフ) - ゆーみさん» 不定期で申し訳ないです( ; ; )続編でもよろしくお願いします! (2021年5月5日 3時) (レス) id: 7510ce0228 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - 杏奈さん» ありがとうございます!!( ; ; )今後もぜひ見守ってください!( ; ; ) (2021年5月5日 3時) (レス) id: 7510ce0228 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - riyaさん» わ〜〜いつもありがとうございます( ; ; )続編でもよろしくお願いします! (2021年5月5日 3時) (レス) id: 7510ce0228 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - チヒロさん» ありがとうございます( ; ; )すっごく嬉しいです……!ご期待に沿えるよう努力します! (2021年5月5日 3時) (レス) id: 7510ce0228 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみ(プロフ) - 更新楽しみにしています!! (2021年4月27日 9時) (レス) id: 7ed0007cba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まこ | 作成日時:2021年1月16日 19時