成敗�� ページ32
千｢いてて！｣
『我慢我慢！』
千寿郎君の小さな顔に二個目の絆創膏を貼り、簡易的な傷の処置を終えた。
『お風呂に入ったらまた変えてあげるよ。』
千｢すみません……お手数おかけします。｣
『なんのなんの』
ーー転んだだけでできた傷とは思えないが、千寿郎君が沈黙を貫くのであれば"今は"それ以上の詮索をするのは辞めておこう。
しばらくして、煉獄さんが帰ってきていつものように夕餉を三人で囲むと煉獄さんも千寿郎君の傷について聞き出した。
杏｢千寿郎！どうしたその傷は！｣
千｢町にお使いに行き、帰る途中で台車ごと石に躓き転んでしまいました！｣
杏｢そうか！派手に転んだのだな！｣
千｢はい！以後気を付けます！｣
『…………。』
ーーー本当なのかな？なんか、怪しい……と、箸を口に咥えながら訝しげに千寿郎君を見た。
少し観察する必要があるな、と再び箸を進めて食事を終えた。
次の朝、起きて身支度をするために洗面所に向かうと庭の方から｢えい！えい！｣と、千寿郎君の掛け声が聞こえた。
外は雪が降っていて、人の足首まではすっぽりと埋まる程度の雪が積もっていた。
素振り稽古をしている千寿郎君の周りの地面は土が見えており、相当朝早くからそれを始めていたことが見て取れた。
ーー私は下駄を履いて、表へと出た。
すぐ近くまで来たのにも関わらず、余程集中しているのか千寿郎君は私に気付いていない様子で。
『風邪、ひかないでね…？』
千｢Aさん！｣
ハァハァと肩で呼吸をする千寿郎君の頬や耳は寒さで真っ赤に染まっていた。
千｢おはようございます！すみません、朝早くから起こしてしまいましたね。｣
『ううん、何も謝ることはないよ……。いつからやっていたの？』
千｢小一時間程前でございます｣
と、呼吸も落ち着き出したようで 構えていた竹刀を下ろした。
その手を見ると、それも寒さで真っ赤に染まっていた。
『…………。』
千｢あ……！｣
ぎゅっと、その柔らかい まだ幼げの残る手を両手で包むとそれは氷のような冷たさであった。
『もう、今のところは辞めにして中に入ろう？……暖かいお茶を入れてあげようね』
と、静かに語り掛けると千寿郎君は黙ってそれに従った。
ーーこの子をここまで追い詰めるのは一体なんなんだろう。何か、黒い影のようなものがあるのではと思わずにいられなかった。
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シレン(プロフ) - Lastさん» ご指摘ありがとうございます！いやいや、お恥ずかしい！！すぐ治します！！ (2020年11月1日 1時) (
レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - この作品いつも読んでます！！ただいま�，覇�輪刀が日輪等になってましたよ。これからも投稿頑張って下さい！！ (2020年10月31日 23時) (レス) id: 7e2a5ee326 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございます！くっつくまでの過程が大好物です！！ (2020年10月31日 22時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
よる - 焦ったい…大好物です！！！ (2020年10月31日 21時) (レス) id: 857d9d8983 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけるように頑張ります！ (2020年10月30日 14時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シレン | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16108143
作成日時：2020年10月26日 3時
