絆�� ページ37
杏｢……昼間の千寿郎の事だが、世話をかけたな。｣
ーー日中に千寿郎から簡易な説明を聞いていたが、寝る前にAが不在の場所でその説明よりも詳しい内容を千寿郎から聞いていた。
あの場で、千寿郎はAの行動・言葉に胸をうたれ涙したと言っていた。
俺以外にも、自分を大切に思ってくれる人がいるのだと知り胸がいっぱいになり…身体が勝手に動き出し、Aへ抱き着いてしまったとのことだった。
ーー母がいたら、…母親から守られたらこんな暖かく、心強い気持ちになれるのかと記憶に浅い母を思い出した、と。
それを話してくれた千寿郎の目には涙が浮かんでいた。
日中の二人のやりとりを聞くと、千寿郎への申し訳なさや Aへの感謝の気持ちで胸が苦しくなった。
ーー伝えねばならない。この感謝の気持ちを、とAの手を両手で包んだ。
杏｢ありがとう……。｣
『え？』
杏｢千寿郎のことを守ってくれて…ありがとう。心から感謝する。｣
『いえ、そんな……』
杏｢千寿郎の変化に気付けなかった！兄失格だ！｣
『そんな！違います！どうかそんなことを言わないで下さい！』
杏｢しかし、弟の心の傷を見抜けなかったのは事実！兄として不甲斐ない！！｣
『煉獄さん……！』
Aの手を包んでいたが、逆に両手で握り返され Aは俺の目をしっかりと見てこう言った。
『私は煉獄さんも！千寿郎君のことも！お父様のことも！自分の家族同様に大切な存在なんです！そうなったんです！！…その人が、苦しんでいたり泣いてたりしていたら全力で守りたいんです！！！力になりたいんです！！！』
泣きそうな顔で、必死に叫ぶA。
杏｢……！｣
ーーーなんと真っ直ぐで、心が綺麗なのだろう。
Aのその言葉に、傷付いていた心が癒されていくのがわかる。
『……！！！』
俺よりも小さく、柔らかいその身体を自分の腕の中へ 力いっぱいと抱き締めてしまった。
Aの温もりをこの腕で、身体で感じる。
ーーA。
俺も同じだ。
俺の家族と同様、Aは既に俺の中で大切な存在となっているんだ。
どうか、……どうかこのままずっと一緒にいたい。
ーー異性に対して、こんな切ない気持ちになったのは初めてのことだった。
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シレン(プロフ) - Lastさん» ご指摘ありがとうございます！いやいや、お恥ずかしい！！すぐ治します！！ (2020年11月1日 1時) (
レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - この作品いつも読んでます！！ただいま�，覇�輪刀が日輪等になってましたよ。これからも投稿頑張って下さい！！ (2020年10月31日 23時) (レス) id: 7e2a5ee326 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございます！くっつくまでの過程が大好物です！！ (2020年10月31日 22時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
よる - 焦ったい…大好物です！！！ (2020年10月31日 21時) (レス) id: 857d9d8983 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけるように頑張ります！ (2020年10月30日 14時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シレン | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16108143
作成日時：2020年10月26日 3時
