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あれから数カ月───
楽しい時間が過ぎるのはどうしてこうも早いのか。
もうすぐ終電の時間だが、敢えて何も言わずに良くんと話を続ける。
私が帰れないとなれば彼はそのまま放っておけるタイプではないだろう。
あと少し、というタイミングで良くんがふと時計に目をやる。
「もうこんな時間…。そろそろ帰ろか。」
今まで楽しげに話していたのに少し表情が曇ったように見える。
そんな顔をするなら帰ろうなんて言わないで欲しい。
まだまだ一緒にいたいのに。
『あ、うん…』
そう思っていてもここでNOと言える程の度胸はない。
もやもやとした気持ちのまま店を出る。
「寒なって来たな」
『良くんが言うとほんまに冬になるって感じする』
冗談めいたことは言い合えるのにな。
私の右手は彼の左手に包まれる。
いつもと変わらないその暖かさが余計に切なくさせる。
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作者名：透 | 作成日時：2022年12月5日 4時
