こんにちは、恋歌。 (ページ5)

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連絡を取るようになってからしばらくはタイミングが合わなかった事もあり、なかなか進展はしなかった。

1ヶ月程経った頃、正門くんが私の会社の近くに来るとのことでディナーに行く事になった。

緊張しながら待ち合わせ場所に向かうとスーツ姿の彼。

「あ、お疲れ様」

『お疲れ様です。ごめんなさい、遅くなって』

「全然、俺も今着いたばっかり。とりあえず行こか。前から行ってみたかったとこ予約してんねん。」

と言いゆっくりと歩き始める正門くんの後ろに付いていく。

「Aちゃん？なんか寂しいから横来てよ」

…この人、あざといな。

わざとなのか天然なのか、少し首をかしげてそんなことを言う彼にドキッとした。

『美味しかったー』

「…Aちゃん」

急に名前を呼ばれて彼の方を向くと真剣な表情で私を見つめていた。

『…どうしたん？』

「俺と付き合ってくれませんか」

あまりに突然の出来事に一瞬驚いてしまう。

「…あかんかな？」

『ううん、嬉しくて。』

「ほんまにいいの？」

『よろしくお願いします』

「ありがとう！」

これが恋人になった瞬間。

後々わかったことだが、誠也くんは告白のシミュレーションに付き合わされていたらしい。

嫌々やっていたら「Aちゃんはそんなんちゃうでしょ！」と怒られた、と何故か私が誠也くんから怒られたのだった。

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