目の前にあると信じた永遠 ページ31
日頃をそんなふうに寂しさを重ね過ごした私達が
同じ空間を過ごす時_
そこには言葉なんか1つだって必要なかった
数え切れないほどキスを重ね
抱えきれなかったお互いの孤独を
お互いの体温で何度だって溶かしていく事
それだけがすべてだった…
深く
深く
どこまでも深い
そんなトコロで感じる健二郎の熱は
何度だって私の口から "愛してる" を誘発した
…愛してる… と …わかってる…
お互い泣きそうになりながら全身で受け止めるその熱は
泣き虫の私の涙を何度だって誘発した
壊されたいと
…心の奥底からそう望んだ…
掠れる声と
額に浮かぶ汗と
汗に濡れた髪と
それから
余裕を失った健二郎そのものが
この世界の中
他に言葉が存在しないんじゃないか…って
それくらいに愛しかった…
会いたかった
でも。いつも逢えなかった
寂しかった
でも。いつも伝えられなかった
触れたかった
でも。いつも…触れられなかった…
そんな毎日を全部埋めるようにして私は健二郎を求めた
健二郎が求めてくれるモノすべてを渡したかった
『なぁ…梨香…』
私を下に敷きながら呼ぶ健二郎は
私を挟んで両手を床に当てたまま
『…逢いたかった…』
そう初めて "逢いたかった" って言った
…泣きそうな顔してた…
だから私はそれが健二郎の本当の想いだって知って
嬉しくて
私もいっしょに泣きそうな顔になった
_私も逢いたかった_
素直に言ったら涙が頬を伝って
笑われるかと思って健二郎を見上げたら
ははっ
健二郎は笑っていた
でも。笑うのといっしょに泣いていた…
涙が膨らんだ健二郎の瞳の淵
留まりきれなかった涙1つが
スーッと
あの日見上げた飛行機雲みたいに流れた
「…泣かないで…」
指先でその涙を拭いた時
初めて "大切な人の涙の重さ" を知った
大切な人が流す涙を拭える指先の幸せと痛みを知った
幸せなのに痛くて
痛いのに幸せな
ちょこっと複雑な思いだったけど私は
健二郎の涙を拭える自分の指先に少し誇りを感じた
『…好きや…』
決して簡単に "愛してる" を言わない健二郎は
何度かそう言って
そしていちばん最後。 "愛してる" をくれた
胸が壊れるくらいに切なかった
嬉しくて痛くて
だからもっかいだけ私はぎゅっと目を綴じた
キスするために近付く健二郎の前髪が私の額に軽く触れて
そして唇を重ねた時
間違いなく私は永遠を感じた
私の永遠はやっぱり健二郎の傍..
泣きそうな顔をして笑ってた
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梨香(プロフ) - にゃりんさん» あと。楽しんでくれて本当にありがとう…この作品は私にとってSpecialなので褒めてもらえるとホッとするよ (2019年8月28日 18時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» いひひ。最後はどーなるのかなぁ(笑)…女の子が夢中で健二郎を好きなコトと情景がいい塩梅に描けてたら嬉しいな…☆ (2019年8月28日 17時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - 梨香さん» なんかね、恋愛に純粋だった頃を思い出すね。にゃりんぐらいおばちゃまになってから読むと心が洗われるね(笑) 日記っぽく書いてるから余計かな〜。終わりは日記調じゃない方がよりリアルかも! なーんて偉そうに言ってみたけど、つまりは楽しく読んでます(爆) (2019年8月28日 17時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» にゃーちゃんだからこそ聴きたい!この作品どんな? (2019年8月28日 12時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - 梨香さん» なるほどね〜♪等身大のお話だからリアルなんだね!!それを踏まえてもう一度読みなおそーっと(笑) (2019年8月28日 12時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨香 | 作成日時:2019年8月27日 11時