ナツミとミサキと愛の歌 ページ38
マサカズの家に帰り着いたら
『…おかえり』
マサカズの奥さん。
ヨーコさんがそっと私を静かに抱き寄せてくれた
『梨香ちゃん♡』
足元に纏わりつくのはミサキとナツミ。
…私の2人の姪っ子たち
ヨーコさんはそんな小さな2つの影に
『あっちでパパと遊んでおいで』そう言って
パパのマサカズがふたりを連れてってくれて
だから私は
ヨーコさんの暖かい腕の中
2人の子供たちが泣くときと同じくらい。
いや。負けないんじゃないかってくらい泣いた
ヨーコさんのヨシヨシってしてくれる手のひらと
『がんばったね…』
たった1つの言葉で涙は信じられない程に流れた
あのね
健二郎はね
初恋でね…それで…ずっとね
必死で
なんか言おうとしたけど
なんにも言葉にならなくて
でもそんな私ごとヨーコさんは受け入れてくれた
"パパとママ"
…私も健二郎といつかはなりたかった……
でも。
私にはヨーコさんみたいな大きな包容力と強さ
両方持ち合わせていないな…そう思った
♫♫♫
不意に小さな部屋のリビングから聴こえた曲
ミサキよりお姉ちゃんのナツミが流したCD
それはマサカズのものなのか
それともヨーコさんのものなのか
解らなかったけど
_あの道まで 響く 靴の音が耳に残る
おおきな自分の影を見つめて想うのでしょう
ちっとも変わらないハズなのに
セツナイ気持ち膨らんでいく
どんなに想ったって君はもういない ____...
その時流行っていた
セツナイ恋の
セツナイ歌詞が
ヨーコさんの腕の中、
涙を流す私の涙を次から次から
留まることなんかさせずに誘い続けた
もうどんなに想ったって
健二郎は私の傍には…いなかった……
そんな私に
マサカズは少し困ったように
ヨーコさんはただただ暖かく
そして
ナツミとミサキはなんにもわからずなまま
一晩中。
私の傍で暖かく微笑ってくれていた
それが東京最後の記憶__
私はいつまでもセツナイ想いで過ごしていた
"ねぇ梨香?
お前達の間でもし変わったモノがあるなら
それは現実でもなくて健二郎でもなくて…
お前自身だったんじゃない?
…俺は今日お前達を見てそう感じたよ…"
ヨーコさんとナツミとミサキが眠ったあと。
1人.晩酌をしていたマサカズが
眠れずにいた私にぽつんと言ったコトバは
今も忘れられないまま
後悔に似た色合いで私の胸の中に残ってる…
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梨香(プロフ) - にゃりんさん» あと。楽しんでくれて本当にありがとう…この作品は私にとってSpecialなので褒めてもらえるとホッとするよ (2019年8月28日 18時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» いひひ。最後はどーなるのかなぁ(笑)…女の子が夢中で健二郎を好きなコトと情景がいい塩梅に描けてたら嬉しいな…☆ (2019年8月28日 17時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - 梨香さん» なんかね、恋愛に純粋だった頃を思い出すね。にゃりんぐらいおばちゃまになってから読むと心が洗われるね(笑) 日記っぽく書いてるから余計かな〜。終わりは日記調じゃない方がよりリアルかも! なーんて偉そうに言ってみたけど、つまりは楽しく読んでます(爆) (2019年8月28日 17時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» にゃーちゃんだからこそ聴きたい!この作品どんな? (2019年8月28日 12時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - 梨香さん» なるほどね〜♪等身大のお話だからリアルなんだね!!それを踏まえてもう一度読みなおそーっと(笑) (2019年8月28日 12時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨香 | 作成日時:2019年8月27日 11時