俺の隣にはいつも… Season2

駆け出して抱きしめて… ページ41

(玲於side)

『…あの記事のことならもう大丈夫…俺と健二郎さんにいい考えがあるから…もう心配しないでいいよ』

岩田さんがそう言って

『…順番は間違えちゃったけどさ…俺たちも友達にならない？』 そうイタズラな瞳で手を伸ばしてくれる


だから俺は迷わずその手をそっと握り返す


ぎゅーｯｯ


「痛いｯｯ」(இдஇ; )


半分涙目になっちゃう俺に更にイタズラに笑って『これでおあいこでしょ』そう言う岩田さんは "改めてよろしくネ！玲於‼" って言ってくれたから俺は

「こちらこそよろしく…ガンちゃん……」って

素直に言うコトが出来たんだ



相手を知らない事って

もしかしたらそれだけで "間違い"の始まりなのかも知れないな…って生まれて初めて思った


あの時もっと俺が岩田さん…

いや。ガンちゃんに近付いて知ろうとしてたら

ガンちゃんの事を解ろうとしてたら

もしかしたらこんな間違いなんかなかったのかも知れないな…って



"恋は盲目"

そんな言葉があるみたいに恋をしたら…

誰かを好きになったら

頭の中も心の中も相手の事だけでいっぱいいっぱいになって

周りを見る余裕なんてなくなっちゃうけど


それでも

視野を拡げて少しだけ余裕を持てば

もしかしたら近くにある大切なモノに気付く事が出来るのかも知れない…

見落としてる大切なモノに気付く事が出来るのかも知れない…



…今回のガンちゃんの優しさみたいに…



『玲於…行ってこいよ』
臣さんが背中を押してくれる

『…頑張っといて』
直人さんがそっと微笑んでくれる


『次は失敗しないようにｯｯ』
ガンちゃんがイタズラに笑ってくれる



だから俺は


駆け出して
駆け出して

気付いた気持ちに向かって動き出す








_『あれ？玲於…どうした？…忘れ物？』＿



まだ店に残ってた哲也さんの胸に迷う事なく飛び込む


『…玲於…?』


戸惑ってる哲也さんの声…

俺は迷う事なくぎゅーっと背中に腕を廻す


言わなきゃ…伝わんないか……


だったら…言わなきゃ…
ずっとずっと隠してた想い…


「…好きです…ｯｯ…待たせてごめんなさいｯｯ」


搾り出すように伝える想い


え？…って哲也さんは少し驚いてるけどもう俺は絶対目を反らしたりしない


お願い‼届いてｯｯ‼

抱きしめて欲しいって願うこの想い…



『…やべえ泣きそう…』

少し困ったように笑う哲也さんは

少し戸惑って俺を抱きしめてくれるから俺も泣きそうだったんだ



大好きだよ…哲也さん……

余裕ないくらいの想い→←恋ってさ

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