俺の隣にはいつも… Season2

重なる ページ5

(臣Side)

ガッシャーンｯｯ

棚に直人さんごとぶつけて

俺は直人さんを纏うものを1枚ずつ強引に捲っていく

その度.見えてくる直人さんの滑らかな素肌



『やめ…ｯｯ』



……やめねーよｯｯ


もう決めたんだわ

何もかもぶち壊すって……




健二郎さんを想う直人さんの事も

直人さんを想う俺の事も


そして



……俺と直人さんの繋がりも……




じゃなきゃ

生半可な気持ちで…こんな事しねぇよ……






『臣さ…ｯｯやめ…』


涙目で俺に抵抗する瞳に

抵抗されながらも "愛おしい" なんて思う俺は



もしかしたらもう壊れちゃってんのかもね





俺はシャツから忍ばせた手のひらを直人さんの其処へ滑らせる

『…んんｯｯ…‼‼』




声が出ちゃうのを隠すように手の甲を口に当てるから

俺はその手を掴んでから直人さんの両腕を束にして掴む





もっと聴かせてよ

もっと俺に聴かせてよ


俺に弄られるから溢れるその声……




『んｯｯ…お願…やめ…ｯｯ』


ホロリと溢れてくる涙に

なんで…?

なんで…健二郎さんが重なってしまうんだよ…ｯｯ




ねぇ?あの人はこの体に何をしたの…?

…あの人にはどう愛されてきたの…?


あの人にはどこまで許してきたの……？





ふつふつと湧き上がるこの想いは

もしかして "嫉妬" ……?




だとしたらやっぱ直人さんってすげぇわ





「ゴメン…やめるつもりねぇから……てかもうやめらんねぇから……」



だってもうここまで気持ち溢れちゃったら俺
"欲望"の塊でしかねぇもん



直人さんに触れるまで

直人さん事.手に入れるまで

自分で自分ん事…抑制出来そうにねぇわ……





『臣さ…ｯｯ...?!』


俺は捲っていただけの直人さんのシャツを強引に剥ぎ取っていって

そして自分のシャツも強引に脱ぎ棄てる






2つの唇を重ねて

強引に舌を巻き取って

そっと指先で弄って

直人さんを縁取る線をそのまま指先でなぞって




やがて







『…ｯｯ‼‼んん…ｯｯ』

俺は直人さんと1つに重なっていく







ねぇ直人さん…?



……俺ね今まで色んなヤツとこうしてきたのに

初めて知ったんだよ……




本気で好きな人を抱く時ってさ

愛おしさでこんなに涙が出るもんなんだね…




けど


最初で "最後"……だよね………

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