俺の隣にはいつも… Season2

雷雨 ページ38

(玲於side)

『あとでガンちゃん来るから…』

こんな情けないままの俺じゃイヤだ…って思ったタイミング


臣さんからの口がそう動いて

俺は情けない程に動けなくなってしまう




決着…ってそういうコト…？


俺のした事を岩田さんに全部伝えて


…許してもらう事……?



岩田さんと顔を合わせること自体が怖いのに

…ちゃんと出来るかな俺…(இдஇ; )





ザーッっっ


突然降り出す雨と


ゴロゴロっっ‼‼ …遠くに聞こえる雷鳴




まるで今の俺の心を丸写ししたくらいの

…土砂降りの雨…





いちばん最初に思った事は…

"逃げ出したい"…なんて情けない気持ちと


"俺…岩田さんに合わせる顔ありません…"そんな逃げるような言葉


だって本当にそう思うんだよ


俺、岩田さんに合わせる顔も許してもらえる自信もない……






『…俺等が付いてるから……』

励ましてくれる臣さんの声と直人さんの笑顔




それに被さるように

『…俺もね…今がいちばん玲於くんが頑張らなきゃなんないタイミングなんじゃないかな…って思うんだ』…って

今まで黙って見守ってくれていた直人さんが小さく呟く



そしてそっと教えてくれるのは

『…哲也さんだったよね?…あの人俺と臣に約束してくれたよ? どんなカタチでも玲於くんの事守るんだって… 玲於くんの中の後悔が何なのか解らないけど玲於くんが動き出せるまでずっと待ち続けるんだ…って…』

そんな哲也さんの優しくて暖かい言葉





…そんなコト……


哲也さんそんなコト言ってくれてたの…?




直人さんが教えてくれた知らなかった事実にハッとして


臣さんが優しく『…もう気持ちはそっちに向き始めてる事…お前自身もちゃんと解ってんだろ…?』 って問い掛けてくれるから


何故かボロボロと涙が溢れ出てしまう



俺…ダメかも…

あの人の所に行きたくて仕方なくなってるかも…



でも


"其れ"は俺自身が撒いた種

ちゃんと摘まなきゃ…前には進めない……


…進んじゃいけない……ってやっぱりそう思うから




だから



『…許してもらえるか解らないけど……俺.ちゃんと岩田さんに伝えます…』

気づいたら俺はそう言ってて


そんな俺を臣さんも直人さんも優しく見守ってくれていたんだ…

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