俺の隣にはいつも… Season2

新しい恋 ページ34

(臣side)


『ねぇ臣…もう少し時が経ったら玲於くんの所にも幸せがやって来そうだよ…』


俺の部屋。ベッドん中
俺に腕枕されたまま直人さんがそっと呟く


突然過ぎてよく解らなくて「ん？」としか言えない俺


そんな俺に『玲於くんの所にも新しい恋が近付いてるみたい』って直人さんが嬉しそうに教えてくれる



俺も
直人さんも

未だにずっと気に掛けてる玲於の事…



_新しい恋が近付いてる_


直人さんがそう言うんだから間違いなくそうなんだろうなって思うから同時に俺は


…良かった…って安心を憶える



だって俺はアイツを傷つける事しか出来なかったから…



最後まで信じててやることも
想いを受け取ってやる事も出来ずに

ただ追い詰めて苦しめて傷つける事しか出来なかったから…



俺が付けてしまったアイツの心の傷を誰かがそっと癒やしてくれるなら…良かった…って本気でそう思うんだ



「…次こそは幸せになって欲しいな…」



不意に零れ出てくる言葉は俺の本心だけど

そんな俺に直人さんは

『けどね…玲於くんはどうも新しい恋にまだ飛び込む勇気がなさそうだったんだ…』

って少しだけ寂しそうに呟いて


そして


＿多分まだガンちゃんへの罪が心に残っちゃってるんじゃないかなぁ…＿ そんな言葉を続けた




玲於ん中に残ってるガンちゃんへの罪

それは多分

俺が玲於を3JSBから追い出す事に繋がってしまったあの記事…


今でも世間では燻ったままのあの記事…





『ガンちゃんは健二郎と上手くやれてんだけど…玲於くんの中ではまだ後悔として残っちゃってるんじゃないかな…ってそんな風に見えたんだ』


そう云いながらさっきまでニコニコしてた直人さんの瞳は急に寂しい彩に染まり始める



それって…


あの記事が消えない限りアイツは幸せになれねぇってコト⁉


あの記事が消えない限り自分に罰を抱え続けるってコト…?




そんなの…おかしいよ

そんなの哀しすぎるでしょ…




『玲於くんも相手の事が心の中のどこかで好きなんじゃないかな…って思うんだけど……でもどうしてもガンちゃんの事が気になってるって.そんな風に見えたんだ…ガンちゃんへの罪がまだ解決しないうちは自分も幸せになっちゃいけないって我慢してるみたいだった…』



そう寂しそうに直人さんが呟くから

俺は

アイツのために何がしてやれるんだろうって必死で考えた


だって俺


いつまでもアイツに傷付いてて欲しくねぇよ

いい加減 "幸せ" になって欲しいよ…

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