俺の隣にはいつも… Season2

選択肢 ページ26

(健二郎side)

ここまでお互いの気持ちと距離が近づいてしまった以上

もう逃げれへん事は

俺も…

多分剛典自身も理解してる事やと思うから



「…聞いてもええか…?」

そんな前置きを添えて俺は剛典に問い掛ける



それは剛典自身がこの先どうしたいのか…

そして

どんな道を歩きたいと思うてんのか…


…傷付いても俺の傍にいたいと思うてくれるのか…


「…多分.俺がお前の恋人やて知られたら世間の目とか色んなモンがお前を傷つけてまうと思う…俺は出来ればお前を傷付けたない…」

そんな言葉に返ってくるのは

『え?…俺は健二郎さんが傷付いちゃうのがイヤで動けなかったんだけど…』 そんな言葉で




やから俺はお互いの想いを理解して笑ってもうた



なんや

俺ら別々んトコでそれぞれ同じ事思うてたんか

それは

俺は剛典を
剛典は俺を

お互いがお互いを守ったりたい…って想い…



『なんで笑うのっっ⁉俺だって真剣に健二郎さんの事.守りたいって思ってたんだよっ⁉』


むぅとムクれる剛典は俺が

「俺も同じ気持ちやったから笑うてんねん…離れれても2人とも考えとる事は1緒やったんやなぁ…って」

そう答えると今度はニカッと笑うて

『それが相思相愛ってヤツなんだよｯｯ‼』

そう嬉しそうに瞳を輝かせた



…単純やなぁ…って思うけど

なんかやたらにそれが愛しくて俺は照れ隠しのように剛典の髪をワシャワシャ撫でてやる



_『なんだ…それならもっと早く会いに来れば良かった…』＿


ポツリと呟く剛典の声には迷いも何もなくて

「お前は傷つく事怖ないん？」

俺がそう問い掛けるとハッキリとした口調で


"俺はね…健二郎さんが傷付いちゃうのがイヤだっただけ…俺がいちばん怖いのは健二郎さんをなくしちゃうコトだよ?" そう云うてくれるから


はっとした

いやもっと正直言うたらズキッとした



俺は何を迷うてたんやろ…


今まで俺は剛典の何を見てやれてたんやろ…




なにが "アンバランスやから" やねん

なにが "男と男やから" やねん


いちばん大切なモン見落としとるやないか


剛典が傷付いたら俺が守ったればいいだけの話ちゃうんか?



めちゃくちゃ単純でシンプルなコトちゃうんか…?



俺がいちばん怖かったんも "剛典を失ってまう事" やったんなら

もう選択肢は1つ…やろ



俺は心ん中で決心を付けると1度強く剛典を抱き寄せる


『健二郎さん…?』

腕ん中で問い掛ける声に俺は剛典に1つの提案を伝えた


＿それは…＿

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