俺の隣にはいつも… Season2

怪我の功名！？ ページ24

(剛典side)

バタバタと駆け込んできて
大きく肩で息をしている健二郎さん


…なんで…


俺は慌ててマネージャーに視線を走らせると


『岩田さん憶えてないんですか…?倒れてすぐ意識朦朧としてる中.何度も"健二郎さんに電話して"…って繰り返してたじゃないですか…』

マネージャーが呆れたように教えてくれる


…マジか( ´Д｀)=3


もしかして無意識ほど無敵なモノって無い⁉





それにしても

慌てて駆けつけてくれたんだな



髪もボサボサだし背中に浮かぶ汗だってぐしゃぐしゃだし

未だに息整ってないし…(笑)



けど

そんな健二郎さんにさえときめいちゃってる俺だってかなり重症(笑)



＿『じゃあ事務所に電話してきます』＿



気を利かせてなのか偶然か分かんないけどマネージャーが退室していく



2人きり


俺の鼓動と
健二郎さんの鼓動の音


それぞれの意味は違うかも知れないけど

でも今は…


ふたりきりの今だけは……




「…逢いたかった……」

…こうやって素直でいさせて…?





ダメだ

泣いちゃいそうだ

こんなにも傍にいるのに

泣きたくなっちゃうなんて変なのに


俺って
こんなにも弱かったかなぁ……



そう思うとポロリと「…好き…」なんて言葉が込み上げてきてしまう




健二郎さんはそんな俺の言葉困るだけなのに…


…ｯｯ‼?


不意に抱き締められて収まる健二郎さんの胸の中


「…健二郎さ…ん?」


少しだけ震えてる健二郎さん

もしかして……


「泣いてる…?」そっと問い掛けると

『泣いてへんわｯｯ』そう云うけど


フハっっ

その瞳を見たら誰だって泣いてたって分かるよ



『誰のせいや思うてんねん』


少しだけ不貞腐れるように健二郎さんは俺を見つめて

『めちゃめちゃ心配したんやぞ…』そう言葉を続ける



「…心配してくれたの…?」


解ってるのに聴いちゃうのは "嬉しいから"

心配してくれた健二郎さんの気持ちがやたら嬉しいから…



ねぇでも…この空気…


俺も健二郎さんも何も言葉にしないこの空気


甘くて優しくて
でもどこか少し切ないこの空気



もしかして



「…ねぇ健二郎さん…もしかして俺の事…好き?」



空気だけで伝わってくる気はするけれど

どうしても言葉にして伝えてほしくて

求めるように問い掛ける欲しがりな俺(笑)




けどやっぱ健二郎さんの方が余裕なんだよな


俺の気持ちだって先に知ってるんだもんね



けどさ



キスだけで答えるなんてズルい！と俺は思うんだけど…?

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