俺の隣にはいつも… Season2

欠乏症 ページ20

(剛典side)

今夜もTVん中には "ニセモノの笑顔" で笑う俺が映ってて

俺はうんざりした気持ちでチャンネルを切り替える




だって最近の俺の笑顔は

……嘘ばっかだ…


『岩田剛典.遂に恋愛報道か！?』


あんな記事が上がって
ネットやTVが俺に纏わりついて

それから事務所から俺に用意されたのは


『隠れ部屋』と

……健二郎さんに逢えない日々……





もともと地方ツアーでホテル生活するコトが多かった俺だから

隠れ部屋の住み心地にはなんとなく慣れてきたけど


健二郎さんに逢えない…そんな事には全然慣れなくて

はぁ…( ´Д｀)=3

今夜もまたため息が1つ零れ落ちてしまう




今日でもう2ヶ月…逢えてないコトになるのか……



健二郎さんはどんな事思ってるんだろう…



ねぇ健二郎さん…


健二郎さんも俺と同じように "寂しい"
って "逢いたい" って思ってくれてる…?



それとも

逢えなくても平気だったりしちゃうのかなぁ


もしそうだとしたら……寂し過ぎるな…(笑)



確かに健二郎さんとの繋がりは無い…訳じゃない



電話だってするしLineもしてる

でもね


声を聴いちゃうとやっぱり俺は逢いたいなって…そう思っちゃうんだよ…



逢いたいなって

抱きしめてほしいなって


そして1つに重なって

暖かい健二郎さんの中に包まれながら眠りたいな…って




健二郎さんに触れたいな…

健二郎さんに触れられたいな……



健二郎さんの事…感じたいな……





「…あぁもうっ！俺ホントに健二郎さん欠乏症じゃんｯｯ」



小さく呟く言葉がズシンと心に大きく響いてしまって

寂しいな…なんて気持ちの輪郭が濃くなってしまう




もう今更

誰が記事を捏造したんだとか

面白おかしく書かれた記事自体とか

そんなのどうでもいいんだ…




問題はもうそういうコト云々じゃないんだ




ただ俺は

ただ健二郎さんに

ただ逢いたいだけなんだよ…



この部屋を抜け出して

俺の本当の居場所に行きたいだけなんだよ……



もうさ


携帯の声とか文字とか写メとか


そんなんじゃ

なんにも追いつかない…って.それだけなんだ…



「…逢いたいな……」



敢えて口に出してみたら

俺が思っていたよりその気持ちは大きくて

俺の頬に流れ落ちてしまう1筋の涙｡






そんな迷子みたいな気持ちの俺の遠くの方


ドドーン‼と

何処かで上がる花火の音





花火

…健二郎さんと1緒に見たかったな……

…逢いたい…→←疾る気持ち

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