俺の隣にはいつも… Season2

花火 ページ18

(臣side)

祭りの夜…

俺は直人さんと待ち合わせした鳥居の下で直人を待っている


会う前から緊張してんのは多分

店以外で直人さんに逢うのが初めてで



そしてそれを直人さんが何気なく

"デート…ですね…" そう言っていたから…｡｡｡





デート…か｡｡｡


思ってもない響きだけど
うん。……悪くない(笑)


いや。正直云えば

多分今.俺ニヤけてんだろうな…(笑)







_『臣さーんっっ‼』＿



聴き慣れた
いや…待ち侘びた声が遠くの方から聴こえてくる




声の方に視線を滑らせて

ドキっっ///

ヤバいぐらいに胸が暴れたのは


『待たせてごめんなさい』

そうペコリと頭を下げる直人さんが

艶やかな浴衣に身を纏っていたから……




黒字に白抜きの鯉が泳いでる和装
茜色の帯


そして直人さんの白く滑らかな腕と
サラサラと風になびくのは茶色の細い髪……



……やべぇ…

あまりにも魅惑的で胸がド○○キからバクバクに変わってしまう



店以外で逢うのは初めてで…

今はまだ付き合ってるって言っていいのかわからない曖昧な距離で…




俺と直人さんは傍から見たら野郎同士で…




そんな色々な理由が頭を過ぎって
"繋ぎたい"…そう思うのに繋げない手



そんな俺の手を直人さんはスルリと躊躇うことなく握ってから

『隆二さんの櫓見に行きましょ!』

そうクリクリの瞳を向けてくる




……ずりぃわ.それ………


俺.完璧にペース.直人さんに掴まれてんな…


けど

それも…うん。悪かないかも(笑)




2人で並んで歩き始めると同時



ドドーン‼‼


轟く爆音


それは祭り始めの挨拶がわりの花火…




『…ぅわぁ…キレイ…』



見上げる直人さんの横顔があまりに綺麗で

俺は何も言えず


ただ



握りしめる手の力をそっと強める




『…今夜の花火…俺.臣さんと見れてすごく幸せです…なんかこの花火で俺と臣さんも始まっていくのかな…って……なんでだろ…変な考え方かも知れないけどそう思っちゃうんです……』


不意に横顔を見せたまま直人さんが呟く


それは


とても儚くて
とても美しくて


とても愛しい横顔




それは直人さんからの告白に聴こえてくるから


「 …ねぇ…直人さん…? 俺…今夜.朝まで

直人さんのコト独り占めしちゃっていい…?」



そう素直に問い掛ける俺





そんな俺の誘う言葉に

直人さんは俺の手をキュッと握りしめる




ドドーン‼


轟き登っていく花火


それは俺の心音に似てとても激しく昂ぶっていた

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