腕のぬくもり ページ4
それから俺は1つ1つ
正しく伝わるように大切に言葉を探しながら口にした
和葉を裏切ってしまった行為と
そして。"三代目"が怖い…という本音…
そして
「俺が三代目な限り俺は和葉をちゃんと守ってやれないんだよ…傷つけたくないのにいつも勝手に傷つけてしまう…もう…イヤだ…そういうの……」 その言葉の後に俺は
_だから和葉を解放したんだよ__
そう言って微笑ってみせた
"それしか思いつかなかったんだよ俺には"
そう言った時に
健二郎くんが俺を困ったように見つめてたのに気が付いて
ふと泣きそうな気持ちに押し潰されそうになったけど。それは際で飲み込んだ
今の俺は。きっとあの頃の健二郎くんに似てる…
だからきっと健二郎くんは俺の "本当の痛み"が解っちゃうんだよね…?
だからそんな顔してんだよね…?
けど俺は
俺は健二郎くんみたいには強くなかったよ…
_"聞いてもいい?"_
話と話の間
そんな前置きを付けながら直人さんはそう言って
"ずっと臣は言うのを伏せてるけど…和葉ちゃんを裏切ってしまった…って…どんな事しちゃったの?"
そう穏やかに問い掛けてきた
だから俺はすぐに"ヤバい"…って感じて
けど
もうすべて話すって決めていたから…
一度ぎゅっと拳を固めて。一度ぎゅっと眼を綴て
そして一度、此処にいるみんなに眼を走らせてから
「…俺…違う女の子と…」
あれ
云うって決めていたのに
…やっぱ言えるわけなかった…
そんだけ直人さんの目が穏やかに俺を映すから…
けど
_『…もういい…臣…ちゃんと言おうとしてくれてありがとう…』_
直人さんの口から零れ落ちたモノは
俺にとってはどこまでも予想外のモノだった
もしかして…直人さん…全部……!?
迷わずそんな考えが浮かんだのは
直人さんの眼差しに少しだけ寂しい彩が浮かんだから
情けないくらい
「直人さん…俺…」俺の口からはそんな言葉しか出てこなかった
それは多分
俺と直人さんだけにしか解らない眼と眼をの会話
だから、ガンちゃんも健二郎くんも2人でぽかーんとしてる
けど、それでも見守ってくれてる
『本当に臣は素直だね』
ポツンと、呟く直人さんの声は
"ずっとそれで悩んでたんだよね…"って続いて
そして
"けどね、多分それは俺のせいでもあるんだよ"
そう寂しい顔で微笑って
そして、俺をそっと抱きしめてくれた
_重たいもの抱えさせたね
背中を摩すりながら直人さんが小さく呟く声に
俺の涙は隻を切ったように流れて止まらなかった
303人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RØMEØ(プロフ) - 初めまして!!めっちゃ面白いです✨続きが気になります!! (2022年9月11日 6時) (レス) id: ff977ead00 (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» にゃーちゃん、コメント返し遅くなってゴメン、気付かなかった涙。涙活かぁ…ダメだ、私は直人って見るだけでイヤだもん…推しは健二郎なのに、なんでなんだろうねぇ… (2019年10月12日 11時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - にゃりんは逆にめっちゃ悲しい話を書いて涙活してやろうかと思ってるよ(号泣) (2019年10月6日 6時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - sachiさん» さちー!おはよ。久しぶりにこちらを覗いたらさちからのメッセージがあって返信出来てなかった事に気付きました涙。うん。今はちょっと直人さんは避けて歩きたい…だけど今、短編集してるから良かったらそっちも楽しんでね! (2019年10月5日 8時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
sachi(プロフ) - 梨香ちゃん、お久しぶりです。お話お休みするのですね。私も正直、自分で思っている以上に直人さんの報道が心に影響してるようで。。。ふと思い出したりする(-_-;)梨香ちゃんの気持ちが落ち着いた時に、また書いてね。 (2019年9月27日 23時) (レス) id: 1986c7b750 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梨香 | 作成日時:2019年9月20日 22時