ゲゲゲの鬼太郎6期 短編集*

ふれることができるだけで。 ページ5

今私は、鬼太郎と図書館にいる。


いやぁ、なんかいいよね！本のにおいというか…こと静かさというか、さ。


私の隣の椅子には鬼太郎がいる。


｢図書館ってやっぱりいいよね｣


｢…そんなこと言って持参の漫画読んでどうするんだ。｣



“小説は読まないのか？”と言わんばかりの眼差しを向けられる。




なんだよ…いいじゃないか。小説じゃなくてもさぁ。


｢あーあ、読み終わっちゃった。なんか本探してくるね｣



(久しぶりに小説でも読んで見ますか)なんて思いながら席を立つ。


｢じゃ、探してくるから、鬼太郎、待ってて｣

と言うと鬼太郎はこくっと頷いた。


さ、探しに行こ.......






｢うーむ。どれがいいのかわからん。｣


席を離れてから早10分。なかなか決まらん。私の優柔不断め。



ふと時計を見ると4時50分。そろそろ帰った方がいいか。


…じゃないとお母さんに怒られる。




結局、漫画しか読まなかったな。また今度来よ。




席にもどって鬼太郎に声をかけようとした。が。




(うそん。鬼太郎、な、何読んで.......)




決してアレな本を読んでいたわけじゃない。


ただ…



“好きな人をオトす方法”



と、本に書かれている。


声が出ないよ！？私！


だって……


だって.......


そういう本読んでるってことはさ！？






鬼太郎に、好きな人がいるって事だよ！？

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