1日目 ページ3
.
『あなたの役職はｰｰｰｰ【市民】です。』
「....何、このメール」
朝、スマートフォンを確認し、深夜に送られていたそのメールは
もちろん誰かのいたずらなのだろうがとても君が悪い。
私、黒瀬Aは血の気が引いていくのを感じていた。
「....まーた、キヨが私を脅かそうとしてるのか？」
キヨ、というクラスメイトの名を口に出す。
そいつは見た目こそは完全に不良だが、割りと優しくいたずら好きという奴。
ま、学校行ったら怒ってやるかと思い特別気に止めずに足を進めた。
ｰｰ
「A！A！人狼ゲームのメール、Aにも届いてた？」
おはようの挨拶もなしに、いやこの人の場合は朝でも「こんちゃーす」か。
いつも特徴的な挨拶をしてくれる彼は、
茶髪のアホ毛をピョンピョンさせながら私に問うた。
「私にもって....レトルトにも届いてたの？アレ」
「俺だけやない、クラスメイト全員に！」
そう言った彼の目はどこか輝いているように見える。
そうだ、レトルトはゲームや行事などのイベントが大好きだった。
....ゲーム好きといえば忘れちゃいけない人がもう2人。
「僕、人狼ゲームとかやったことないなぁ」
「ルールからして超楽しそうじゃない？」
黒髪メガネが印象的なP-Pと、翡翠色の髪と瞳のつわはす。
ゲーム廃人、特につわはすのゲーム好きっぷりは本物だ。
「....え？みんなやるの？」
「そうなんだよ、な？みんな？」
「死亡するとかどうせ嘘っしょ」
「クラスの親睦会も含めてやってみよーよ」
クラスメイトが一致団結する。
雰囲気に流され、結局1日目を始めることになった。
....そういえば、なんで先生は来ないんだろう。
そんな疑問も、レトルトの「会議スタート！」という声で忘れていってしまった。
もう一度メールの最後の部分を確認した。
私は【市民】。つまりなんの役割もない平凡な役だ。
こんなゲーム早く終わってくれなんて心の隅で呟く。
さあ、1日目が始まる。
【1日目 追放会議スタート】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 559人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
loss - 途中でヒロインの苗字が黒瀬から黒崎になっていた事が気になりました。それ以外は考えられていてとても面白かったです。 (2016年11月28日 22時) (
レス) id: 7b543e43b5 (このIDを非表示/違反報告)
毒舌#珈琲 - 最後凄い感動して泣きかけてしまいました…！文才ありすぎて羨ましいです！いい小説をありがとうございます！ (2016年4月6日 16時) (レス) id: cd366d9e79 (このIDを非表示/違反報告)
桂碼(プロフ) - すごく感動しました。楽しませていただきありがとうございます(*´∇｀*) (2016年4月4日 16時) (レス) id: ccc617bd03 (このIDを非表示/違反報告)
あらん - すごく感動しました...T^T (2016年4月1日 3時) (レス) id: 0334f1c679 (このIDを非表示/違反報告)
みなっち - 最後泣けました…。この作品良かったです。 (2016年2月22日 1時) (レス) id: 67986d2bd6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：零紅、ミネラリン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kaho01171/
作成日時：2015年3月30日 23時
