towaco＊ 臆病者 ページ48
「あの、A」
「んー？」
「チャンネル、変えへん？」
私達は先程まで純愛映画を見ていた。海外で人気だから是非見たいと今日TV初公開の映画をわざわざ彼の家で見ていた。ただ、海外で純愛と言えど私らには及ばない。
なんたって触れるだけの私達なんだから。
TVの奥では男女が濃厚なキッスをしていて。それが長い長い。私はなんとも思わない……いや、羨ましいと見ていた。
彼は気まづくなったのだろう。
「………ね、とわ。」
「なんや？」
「私には、魅力がない？」
「…は？」
声が震える。私はきっと、この答えがまだ分からなくて怖いんだ。彼を信じきれてないから、私が最低だから。
「…A」
私は顔を上げる。
「俺は、お前が、世界一好きや」
「っ」
とわの細い指が私の頬を滑らせるように触る。こそばゆいけど、離して欲しくはない。
ただ、目の前で座る彼はいつになく寂しそうで。私は震える彼の声に何も言葉がでなかった。
「だから、俺はAにこうやって触れることしか出来へん。これ以上したら抑えられなくなって、何より大事なAに乱暴しかできひん気がする。俺は、かなり臆病者なんや」
「とわ、」
「俺だって、キスしたい。できればその先だって、したい。だけど、俺の欲はそんな綺麗なもんやない。」
「聞いてとわ」
「大事だから、大切だから。俺にはもったいないくらいの彼女やから、最後までちゃんとしたいんや…だから、」
「永久狐！」
びくっと彼の肩が揺れる。私はそんな彼の肩に手を置いて、触れるだけのキスを彼の額に落とした。驚いているとわは、私の手を取り、握りしめてやっと沈黙した。
「私ね、とわに大切にされてすごく幸せ。ほんとに、とわが居てくれて幸せなの」
「……」
「だから、私だって貴方を大切にしたい。貴方に我慢だってして欲しくない。それにね、」
涙が落ちた。
「私、貴方の欲に潰されないわ。だってとわだよ？とわの全てに、私は殺されない。だって、貴方のこと一番知ってるのは私だもの。」
「A…」
「何も今日明日じゃなくてもいいの。貴方のタイミングで、私に触れたっていいの。私は貴方のものよ？」
なんて発言だろう。でも、彼にはこれくらい言わないとわかってくれない気がするんだ。
「………いか？」
「え？」
「………今日、でも…いいんか…？」
「………もちろんよ」
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狩人ノ影*(プロフ) - 桜田さん» ありがとうございます！ひらの人気は衰えないですね。嬉しいお言葉もったいない限りです。これからも是非よろしくお願いします(-ω-) (2016年9月7日 20時) (
レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
桜田(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！ヒラの短編よかったです！キヨの好意が垣間見える感じが素敵でした（；＿；） (2016年9月5日 19時) (レス) id: 20ab6aeafe (このIDを非表示/違反報告)
狩人ノ影*(プロフ) - 龍谷さん» ありがとうございます!!リクエスト承りました(^ω^ )お時間を頂きますが、必ず上げますので気長にお待ちください。 (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
狩人ノ影*(プロフ) - おにぎりさん» ありがとうございます!!とても嬉しいお言葉勿体無い限りです。これからもぼちぼち更新致しますのでよろしくお願いします！ (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
狩人ノ影*(プロフ) - るななんさん» 解説ありがとうございます!!私の説明より遥かにお上手で、お手間をかけてしまい申し訳ありませんm(__)m読んで下さってありがとうございました！ (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩人ノ影* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tomoka0315/
作成日時：2015年4月23日 21時
