towaco *すれ違い両想いanother ページ44
海から上がり、耐水性のパーカーを着てビーチサンダルを履く。友達が楽しんでるのを他所に私は愛する彼の元へ行ったはずだった。
「あ、れ。」
先程までパラソルの下で悠々と涼んでいた彼はいない。代わりにクラスメイトの私とtowacoくんの関係を唯一知っている牛沢くんが涼んでいた。
「あーtowacoなら飲みもん買いに行ったぜ」
「あ、そうなんだ。」
今日だって、私とは行動しない。私がクラスにバレるのが嫌なのもあるけど、彼はそれ以前に私に対して壁がある気がする。
「…ねぇ牛沢くん。towacoくんとは幼馴染みなんだよね?」
「ん、あぁ。まあ、腐れ縁ってやつだな。って隣に座られたら後で誤解されてtowacoに怒鳴られるんだけど」
「聞きたいことがあるの」
私は真っ直ぐ彼を見つめる。
「towacoくんって昔からああいう塞ぎ込む人だったの?」
「……それはどうしてそう思う?」
牛沢くんもいつの間にかいつものようなへらへらしてる雰囲気ではなくなっていた。
「私、towacoくんに一目惚れなの。」
そう、一目惚れ。高校に入学して、たまたまクラスが一緒になって、たまたま席が前後になって、「落としましたよ」と本の栞を渡した時に初めて会話した。
彼の「ありがとう」という言葉だけで、私は恋に落ちた。
「towacoくんに告白して、「私も実はずっと好きでした」って言われてすんごく嬉しくて。でも、それ以来好きとは言われてないの。でもってなんか私にいつも隠し事してるみたいで…」
「ふぅん」
「あっ別に浮気とかを心配してるわけじゃないんだよ!?towacoくんは絶対そんなことする人じゃないって分かってるから!」
違う。
「towacoくんは、いつも落ち着いててしっかりしててさ。私とは正反対で勉強もできるし、子供は嫌いだって言っておきながら泣いてる子がいたら真っ先に声かけるんだよ?すごい優しいよね」
「…お前もか」
「ううん!優しいだけじゃないの!とってもかっこいい!初めて私服でデートした時もさ私達まだ高校生なのにtowacoくんまず服から違うんだもん。すっごいシックで大人っぽくて。顔もイケメンさんだから色んな女の人にチラチラ見られてたんだよ?嫉妬しちゃうよね、私のなんだって叫びたくなったりしたよ」
「…」
「必ず道路側歩いてくれるし、カフェだって奥の席に自然と誘導してくれる。なのに私はそんな紳士じゃないですよって言うんだよ??」
あ、しまったしゃべりすぎた。
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狩人ノ影*(プロフ) - 桜田さん» ありがとうございます!ひらの人気は衰えないですね。嬉しいお言葉もったいない限りです。これからも是非よろしくお願いします(-ω-) (2016年9月7日 20時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
桜田(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!ヒラの短編よかったです!キヨの好意が垣間見える感じが素敵でした(;_;) (2016年9月5日 19時) (レス) id: 20ab6aeafe (このIDを非表示/違反報告)
狩人ノ影*(プロフ) - 龍谷さん» ありがとうございます!!リクエスト承りました(^ω^ )お時間を頂きますが、必ず上げますので気長にお待ちください。 (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
狩人ノ影*(プロフ) - おにぎりさん» ありがとうございます!!とても嬉しいお言葉勿体無い限りです。これからもぼちぼち更新致しますのでよろしくお願いします! (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
狩人ノ影*(プロフ) - るななんさん» 解説ありがとうございます!!私の説明より遥かにお上手で、お手間をかけてしまい申し訳ありませんm(__)m読んで下さってありがとうございました! (2015年12月26日 21時) (レス) id: 8bbda9113b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狩人ノ影* | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tomoka0315/
作成日時:2015年4月23日 21時